【名探偵コナン】異世界の訪問者18《男主》

860話 紺青の拳 ページ11

なんとかコナンは真下の縁にぶら下がっていたが、体力もそう残っていないはずだ。

そこへ追い打ちをかけるように、飛んできたデッキチェアがコナンに向けて落下した。





『くそっ…！』


チェアが直撃したコナンは真っ逆さまに地上に落ちていく。




『キッド‼』



力の限り彼の名を呼ぶと、なんとか声が届いたようだ。


飛んできたキッドはコナンの姿を捉え、急降下していく。




そして、空中でコナンの体をキャッチした。


ホッと息を吐きだす。




コナンを抱えたキッドが旋回し、俺のもとへやって来た。




「黒瀬さんも早く」


俺に向けて手を差し出すキッドだが、首を横に振った。





『俺はいい。さっきも言ったけど、重荷になる』

「でも、まだ海賊がうじゃうじゃいやがる。あんたに何かあったら――…」

『俺の力を過小評価してんの？大丈夫。こんな窮地、慣れてる』



こんなところで死ぬわけにはいかない。


本当の俺と話してほしいって、約束したんだから。





『俺もこっちで出来る限りをするから』

「…わかった」




了承して、キッドはコナンを連れて飛び去って行く。


俺もプールサイドに戻り、襲ってくる海賊を片っ端から潰していく。




飛んでいるキッドに向けて銃を乱射している海賊たちに向けて、エアガンのダイヤルを“強”に設定し、ぶっ放した。






「うわあああっ‼」



何人もの男たちが勢いよく飛び、壁に激突した。


“強”を使ったのは国際会議場から落下するときの衝撃を緩和した時以来だ。
人に向けて使ったのは初めてだけど…やっぱり威力やばいな。


間違って屋上の外に吹き飛ばさないように、気を付けないと。






さっきつけられた頬の傷から血が伝う感触がして、ぐいっと手の甲で拭った。





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