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693話 ページ44

「今回の件で、組織は確実に工藤新一の存在を把握した。そんな彼を探れという命令は、組織一の探り屋、バーボンに下される。彼は近々、沖矢昴の正体を確信した上で、ここへ乗り込んでくるだろう」

『そ、れは…そうだろうけど…』

「彼と一緒にいる以上、君も無関係ではいられないはずだ。彼も、君のことは巻き込みたくはないと思うが、組織がどう出るかわからん。もう一般人ではいられんぞ」

『っ…』



一般人ではいられない、という言葉に頭が揺らいだ。


確かに、俺はこれまでいろんなことに関わりすぎた。
それでも、自分は一般人だからと言い聞かせて、線を引いてきた。


踏み込みすぎたのかもしれない。
そうだよな、組織のメンバーとも何度か接触しているし…。

でも…ここで身を引くわけにはいかないんだ。




『…バーボンが、組織に従って動くとしても、俺は最期まであの人の傍にいると決めたから』


彼のすることに、何も言わない。



『俺が組織に目を付けられたとしても、それは俺の自業自得。でも、俺はあくまでコナンくんに従う。そこで彼が俺に指示を出すならば、俺はそれを拒んだりしない』


この世界の主人公、江戸川コナンの意思に従えば、均衡が崩れることはない。



『だけど、最後に俺が寄り添うのは彼の傍。彼が死ぬなら俺も…』

「…まっすぐに、彼を愛しているのね」


隣から聞こえた有希子さんの声にハッと我に返った。




少し、熱く語りすぎた…。
恥ずかしい…。




『…とにかく、俺は今までどおりを貫きます』

「…そうか。まぁ、こちらも強要するつもりはない。だが、あまり気負いすぎるなよ」


開かれた沖矢さんの瞳が俺を見つめた。




気負う?
俺が?

どうして?



言葉の意味が分からずに瞬きを繰り返していると、表にいた大勢の人間の気配が消えていくのを感じ取った。





『…あれ?マスコミが帰っていく…』


立ち上がって窓の外を見ると、マスコミが撤収していくのが見えた。




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設定タグ:名探偵コナン , 降谷零 , 男主   
作品ジャンル:アニメ
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096 - ちぃさん» 読んでいただきありがとうございます!深く考えていただき、嬉しい限りです…!人の数だけいろんな行動の仕方があると思います。葛藤の中で得た黒瀬の決意を、これからも見守ってあげていてください! (2019年12月22日 21時) (レス) id: e8c1cec671 (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ(プロフ) - 別れたからってなにもしないのではなくて、世界を変えれないのなら影からサポートしたり守ったりするかも、、、。唯一の方法かなと思いました。 (2019年12月22日 1時) (レス) id: 13503def23 (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ(プロフ) - やっと読めました、自分ならどーするか考えました。大好きな世界の均衡を保つ為、大好きな人を守る為にも、零さんから恨まれるくらいに嫌われてから別れるかなーって。全てが終わった時にもう一度始めからやり直す選択をするかも知れないですね。 (2019年12月22日 1時) (レス) id: 13503def23 (このIDを非表示/違反報告)
096 - りんねむさん» コメントとお気遣い、ありがとうございます!一気読みお疲れさまでした!これからも頑張りますので、よろしくお願いします! (2019年12月17日 14時) (レス) id: e8c1cec671 (このIDを非表示/違反報告)
りんねむ(プロフ) - 初コメ失礼致します。ここ数日で最初から一気に読んじゃいました!とっても面白いです!無理なさらぬよう、更新頑張って下さい!陰ながら応援しております!(*^^*) (2019年12月16日 18時) (レス) id: 529938dd30 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:096 | 作成日時:2019年11月26日 23時

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