674話 紅の修学旅行 ページ25
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3人と綾小路警部、高校生探偵3人と俺は急山の店内の個室に入って出栗という男の話を聞くことになった。
「出栗未智男…、その彼も、あんさんたちと同じ祇園芸術大の同級生やったんですか?」
「彼は美術学科でしたけど…」
阿賀田さんは音楽学科。
馬山さんは映画学科。
西木さんは文芸学科。
鞍知さんと井隼さんは演劇学科だったという。
「でも学科がバラバラなのに、あんたたちどうやって知り合ったんだ?」
世良の問いに阿賀田さんが答える。
「みんな、特撮研究会に入ってたんだよ。まぁ、出栗は漫研と掛け持ちだったけど」
「大学祭には、みんなで撮った映画を毎年上映してたんだ。元々私は特撮が得意だったし」
「私と井隼くんは特殊メイクに精通してて…」
「できた映像に僕が、オドロオドロしい音楽をつける。脚本は西木で、衣装や化け物のデザインは出栗って感じだったよね?」
3人の発言に嘘は感じ取れない。
「漫画が忙しくて出栗が大変なときは、みんなで奴の漫画を手伝ったなぁ…」
「まぁ、使い物になったのは阿賀田くんくらいだったけど…」
鞍知さんの言葉に、目だけを阿賀田さんへ向ける。
彼は出栗さんの次に絵心がある、ということか…。
「でも、今回の紅の修羅天狗のもとになった、卒業制作のスタッフに、出栗って人の名前はありませんよね?どうしてですか?」
スマホでホームページを確認していたらしい新一がそう告げると、3人の表情が曇った。
「…なんや?何黙ってんねん」
服部が詰め寄ると、阿賀田さん馬山さん、鞍知さんの順で口を開いた。
「実はそのとき、西木は卒業制作の脚本に悩んでいて…」
「そんなとき、出栗が同人誌で描いた漫画を見つけたんだ」
「とても素晴らしいファンタジーをね」
『…それが、紅の修羅天狗?』
尋ねると、鞍知さんが頷いた。
「ええ。出栗くんには、“これは僕がプロの漫画家になったとき、ちゃんと発表する話だから、使わないでくれ”って断られたんだけど…」
「完成した作品を見れば、出栗も納得してくれるだろうって…。その話で撮ってしまったんだ」
「スタッフロールに出栗の名前を入れれば、彼の卒業制作にもなるしね」
だが、その映画の試写を観た彼は、“こんなの僕の作品じゃない!”と激昂したという。
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096 - ちぃさん» 読んでいただきありがとうございます!深く考えていただき、嬉しい限りです…!人の数だけいろんな行動の仕方があると思います。葛藤の中で得た黒瀬の決意を、これからも見守ってあげていてください! (2019年12月22日 21時) (レス) id: e8c1cec671 (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ(プロフ) - 別れたからってなにもしないのではなくて、世界を変えれないのなら影からサポートしたり守ったりするかも、、、。唯一の方法かなと思いました。 (2019年12月22日 1時) (レス) id: 13503def23 (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ(プロフ) - やっと読めました、自分ならどーするか考えました。大好きな世界の均衡を保つ為、大好きな人を守る為にも、零さんから恨まれるくらいに嫌われてから別れるかなーって。全てが終わった時にもう一度始めからやり直す選択をするかも知れないですね。 (2019年12月22日 1時) (レス) id: 13503def23 (このIDを非表示/違反報告)
096 - りんねむさん» コメントとお気遣い、ありがとうございます!一気読みお疲れさまでした!これからも頑張りますので、よろしくお願いします! (2019年12月17日 14時) (レス) id: e8c1cec671 (このIDを非表示/違反報告)
りんねむ(プロフ) - 初コメ失礼致します。ここ数日で最初から一気に読んじゃいました!とっても面白いです!無理なさらぬよう、更新頑張って下さい!陰ながら応援しております!(*^^*) (2019年12月16日 18時) (レス) id: 529938dd30 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:096 | 作成日時:2019年11月26日 23時