556話 ページ7
大住の指が引き金にかけられたときだった。
「Aっ!!」
零さんの声と、銃声の音が重なった。
『れ、さ…っ』
俺を庇うように抱きしめてきた零さん。
その右の肩口から血飛沫が上がる。
「く…っ!」
うめき声がすぐ近くで聞こえた。
前にも、この光景を見たことがある。
かつての仲間、同期だった涼も、俺をこうして庇って…死んだ。
『や…っ、零さ…!』
俺に凭れかかる零さんを呼ぶ。
「なんだ、その男は。黒瀬くんの仲間か?…彼もなかなか綺麗な顔してるじゃないか。剥製にでもしてやろう」
再び銃口がこちらに向いた。
「っ…!」
零さんは怪我をしていると思えないほど素早く動き、スーツの下から拳銃を取り出すと左手に持ち替えて振り向き、発砲した。
「がっ…!」
銃弾は大住が持っていた拳銃に命中した。
「く…っ」
血が流れる右肩を抑えて、零さんは表情を歪めた。
拳銃を失った大住だが、彼は錠剤を口に含んで飲みこむ。
今のが例の催眠効果のある薬だろう。
「2人諸共、僕の人形にしてやる…!」
こちらに近寄ってくる大住の目は血走っている。
このままだと、2人ともフェロモンに当てられてここから脱するのは難しくなってしまう、と考えていたときだった。
物凄い勢いで、俺達の頭上を何かが通り過ぎていく。
「うがぁっ!!」
その何かは大住の顔面にヒットし、ころころと床を転がる。
…サッカーボール…?
これは…まちがいなく……。
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096 - さつまいもさん» ありがとうございます!頑張りますので、これからもよろしくお願いします! (2020年1月7日 11時) (レス) id: e8c1cec671 (このIDを非表示/違反報告)
さつまいも - そう言っていただけると有難いです…。最新話まで読ませていただいております。とても面白いです!寒い日が続いていますので、無理をしない程度で更新頑張ってください。 (2020年1月7日 2時) (レス) id: 13761fb567 (このIDを非表示/違反報告)
096 - さつまいもさん» いえいえ!とんでもないです!私もまだまだ勉強中なので、おかしな点がありましたらまたご指摘いただけると幸いです! (2020年1月6日 15時) (レス) id: e8c1cec671 (このIDを非表示/違反報告)
さつまいも - 返信遅れまして大変申し訳ございません(^_^;)そうでしたか…やはり口を挟むような結果になってしまい、申し訳ないです。コナンの作品中に東京駅が出ていることは初めて知りました。新しいコナンウンチクが増えました。ありがとうございます(笑) (2020年1月6日 2時) (レス) id: d0e080215b (このIDを非表示/違反報告)
096 - さつまいもさん» ご指摘ありがとうございます。架空都市として東都が使われているようですが、首都名は東京で正しいようです。実際コナンの作品中にも東京駅が出てきています。この辺ややこしくて、私も最初困惑しました(笑) (2019年12月30日 22時) (レス) id: e8c1cec671 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:096 | 作成日時:2019年10月4日 13時