586話 ページ37
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検査の結果、零さんの脳に異常はなく記憶障害の原因はまだ不明らしい。
やはり忘れているのは俺のことだけで、自分のこともコナンや組織のことも、ハロのことですら覚えているという。
自身がどうして入院しているのかも分かっている。
意識はハッキリしている。
仕事のことも潜入捜査のことも。
今まで起きた出来事も全て分かっている。
そこから俺の存在だけが抜け落ちている。
零さんには、記憶障害のことは伝えていないという。
『…俺と一緒に住んでいたことも、指輪を交換したことも覚えてない？』
《指輪のことは聞いていないが、降谷さんは検査で、今は1人暮らしで犬を一匹飼っていると答えた。黒瀬くんが協力してくれた先日の大住の事件も、君の存在だけが抜けて記憶しているようだ》
『……そう』
家にある自分の荷物をまとめながら、検査結果を風見さんに教えてもらった。
事態は思っていたより厄介そうだ。
『…制圧したテロ組織って、どんな？』
《…違法薬 物だ。精製した薬 物を売りさばいて儲けていた》
…違法薬 物…、零さんの記憶障害…。
先日の大住の事件と、どこか似ている…。
零さんは、大住が使用していた薬の出所を調べていたはずだ。
…もしかして。
「くぅん…？」
俺が荷造りをしていることに不安を感じたのか、ハロが擦り寄ってきた。
『…大丈夫だよ、零さんが帰ってくるから。俺もすぐ戻るよ』
安心させるように頭を撫でるが、何かを感じ取っているのかやはり不安げだ。
『…風見さん、零さんが救出した子供はどうしてる？』
《え？ああ、よほど怖かったのか、まだ目が覚めていないようだ》
『目が覚めたら、様子を見て報告して』
一つの可能性を見出して、俺は風見さんに報告を頼んだ。
《わかった。ところで、家を出てどこにいくつもりなんだ？》
『知り合いのところで世話になります。場所は教えられませんけど』
《…そうか。降谷さんのことは逐一報告するようにしよう。あの人、怪我は大したことないから明日には仕事に戻ると言って聞かないんだ》
『…ふ、零さんらしいや』
じわっと目頭が熱くなった。
泣いているのがバレないように、努めて明るい声を出す。
『…よろしくね、風見さん』
《はい。黒瀬…いえ、楓も、無理をしないように》
従兄弟設定を思い出したのか、風見さんは俺の本名を呼んで電話を切った。
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096 - さつまいもさん» ありがとうございます！頑張りますので、これからもよろしくお願いします！ (2020年1月7日 11時) (
レス) id: e8c1cec671 (このIDを非表示/違反報告)
さつまいも - そう言っていただけると有難いです…。最新話まで読ませていただいております。とても面白いです！寒い日が続いていますので、無理をしない程度で更新頑張ってください。 (2020年1月7日 2時) (レス) id: 13761fb567 (このIDを非表示/違反報告)
096 - さつまいもさん» いえいえ！とんでもないです！私もまだまだ勉強中なので、おかしな点がありましたらまたご指摘いただけると幸いです！ (2020年1月6日 15時) (レス) id: e8c1cec671 (このIDを非表示/違反報告)
さつまいも - 返信遅れまして大変申し訳ございません(^_^;)そうでしたか…やはり口を挟むような結果になってしまい、申し訳ないです。コナンの作品中に東京駅が出ていることは初めて知りました。新しいコナンウンチクが増えました。ありがとうございます(笑) (2020年1月6日 2時) (レス) id: d0e080215b (このIDを非表示/違反報告)
096 - さつまいもさん» ご指摘ありがとうございます。架空都市として東都が使われているようですが、首都名は東京で正しいようです。実際コナンの作品中にも東京駅が出てきています。この辺ややこしくて、私も最初困惑しました（笑） (2019年12月30日 22時) (レス) id: e8c1cec671 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：096 | 作成日時：2019年10月4日 13時
