6話 ページ7
「それで、黒瀬お兄さんはこれからどうするの？」
歩美に聞かれて、そうだった…と思い出す。
「家族は？」
『家族はいないんだ。小さい頃に事故で…』
「そうだったんだ…」
子供らしくしゅんとする面々。
『あ、気にしないで。昔の話だからさ』
「今はお仕事何してるの？」
『今は…何も…』
前なら、フリーターだのサラリーマンだの、適当に嘘を言っていたが、ここではなんとも言えない。
警察です、なんて、本当のことも。
「…黒瀬さん、どこから来たの？」
さすがに怪しんだのか、核心を突くようなコナンの問いに固まってしまう。
そんなの、俺が聞きたい。
現実世界ではおそらく死んで、漫画の世界に飛ばされて、知り合いも、家も、俺を証明するものが何もない。
財布も、スマホも。
あるのは生きているのか死んでいるのかも分からないこの身ひとつ。
『…分からないんだ。どこから、来たのか…』
ぼそりと呟く。
なんとも言えない、微妙な空気が漂った。
「それって、記憶障害じゃ…？」
いっそ、そういう設定にしたほうが動きやすいのではないだろうか。
「名前と年齢と…それ以外に何か分かることはない？持ち物は？」
少し切羽詰まったように、コナンは俺に詰め寄った。
もちろん、記憶障害などではないから、覚えていることはたくさんある。
でも、言うだけ無駄だ。
手掛かりなんて、この世界には存在しないのだから。
『…ごめん、何も分からない。持ち物も、何もなくて…』
今更になって焦りを覚え、泣きたくなった。
俺はこの世界で、これからどうやって生きていけばいいのか。
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096 - ゆずりはさん» 返信遅くなってしまいすみません…！2週目嬉しいです！改めて楽しんで頂けると幸いです！ (12月5日 20時) (
レス) @page23 id: 5783aede03 (このIDを非表示/違反報告)
ゆずりは(プロフ) - 2週目読ませて頂きます！黒瀬くんめちゃくちゃ好きです！♡ (11月14日 20時) (レス) @page2 id: c114e89f61 (このIDを非表示/違反報告)
096 - はるさん» 返信遅くなってしまい申し訳ありません！２回目読んでいただきありがとうございます!!ハロと出会うのは444話です！ (2022年9月13日 15時) (レス) id: 5783aede03 (このIDを非表示/違反報告)
はる - すごく面白いです！！！ストーリー読みやすくて、２回目を見てます((笑。 聞きたいことがあって、ハロと出会うシーンって何話でしたっけ？思い出せなくて、、、 (2022年8月11日 17時) (レス) id: 9c65c52711 (このIDを非表示/違反報告)
096 - みこさん» ありがとうございます！とても長いですが、ぜひ楽しんでください！ (2019年8月21日 22時) (レス) id: d9ca70487a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：096 | 作成日時：2019年1月30日 17時
