21話 ページ22
・
結果。
即採用となった。
丁度人が辞めたばかりで、人手が足りず困っていたらしい。
バイトしたいといったらすぐに採用された。
その日のうちから働くことになり、手渡しで今日の分の給料、6千円が封筒に入れて手渡された。
店主もいい人だし、店の雰囲気もいい。
シフトも好きなときに来てくれていいと、融通が利きすぎだ。
しばらくはここで働いて稼ぐことにしよう。
まずやはり必要なのはスマホだ。
今の時代には必要不可欠。
安いものなら、明日また一日働けば買えるだろう。
計画を立てながら歩いていると、クラクションの音と共に横に車が停まった。
見覚えのある白のRX‐7。
「黒瀬さん」
窓が下りて、安室さんが顔を覗かせた。
『安室さん、お疲れ様です』
「今帰る所でした。乗ってください」
同じ家に帰るのに、ここで断るのもおかしいので、俺は言われたとおり助手席に乗り込んだ。
「散歩でもしてたんですか?」
『いえ、バイトが見つかったので、今日から働いてきました』
「早いですね。一体どこで?」
『コロンボっていうレストランです』
「ああ、あのレストラン…」
『知ってるんですか。まかないも頂けたし、お店の方も優しいのでなんとかやっていけそうです』
「それはよかった。黒瀬さんは世渡り上手そうだから、きっとやっていけますよ」
『それ、褒めてるんですか?』
「ええ、もちろん」
安室さんのほうが世渡り上手だろうに、という言葉を飲み込む。
『安室さんは今日は、ポアロでお仕事だったんですか?』
「いえ、今日は探偵業の方です」
『両立は大変そうですね』
「まあ。でももう慣れましたから」
そう言いながらも車を走らせていると、突然、そうだ、と安室さんが声を上げた。
「黒瀬さん、僕の探偵業のお手伝いをしてくれませんか?」
『え?俺が?』
「はい。もちろん、お金は出します」
『いっ、いやいや!それはできません!ただでさえ住まわせてもらってるのに安室さんからお金を貰うなんて…っ!』
「では、居候代として。黒瀬さんの勘は鋭いので、役立ちそうです」
居候代…、そう言われてしまうと弱い。
なんでもすると言ってしまったし…。
『…わかりました、俺にできることなら…』
安室さんが関わっている話を俺はよく分からないから、手伝うくらいで物語が変わることはないだろう。
コナンの正体が工藤新一だということさえ言わなければ大丈夫、のはず。
・
2470人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
096 - ゆずりはさん» 返信遅くなってしまいすみません…!2週目嬉しいです!改めて楽しんで頂けると幸いです! (12月5日 20時) (レス) @page23 id: 5783aede03 (このIDを非表示/違反報告)
ゆずりは(プロフ) - 2週目読ませて頂きます!黒瀬くんめちゃくちゃ好きです!♡ (11月14日 20時) (レス) @page2 id: c114e89f61 (このIDを非表示/違反報告)
096 - はるさん» 返信遅くなってしまい申し訳ありません!2回目読んでいただきありがとうございます!!ハロと出会うのは444話です! (2022年9月13日 15時) (レス) id: 5783aede03 (このIDを非表示/違反報告)
はる - すごく面白いです!!!ストーリー読みやすくて、2回目を見てます((笑。 聞きたいことがあって、ハロと出会うシーンって何話でしたっけ?思い出せなくて、、、 (2022年8月11日 17時) (レス) id: 9c65c52711 (このIDを非表示/違反報告)
096 - みこさん» ありがとうございます!とても長いですが、ぜひ楽しんでください! (2019年8月21日 22時) (レス) id: d9ca70487a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:096 | 作成日時:2019年1月30日 17時