17話 -Side降谷- ページ18
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安室透として使っている仮住まいのアパートへ車を走らせている間、彼は窓の外を眺めていた。
その横顔は、やはり不安そうに翳っている。
少しでも彼について探ろうと、いろいろ質問してみる。
その中で、彼がなかなか安室の名を口にしないことに疑問を持ち、その疑問を投げかけると、彼は曖昧に笑った。
安室透には、隠し事が多そうだ、と。
安室透自体が、偽りの存在だ。
どうして、と投げかけると彼は勘だと言った。
そして、「安室さんは…本当に安室さんですか？」と。
彼は完全に僕を疑っている。
でも、それでもこうして付いてきている。
勘だとしても、鋭すぎる勘だ。
初対面の相手にこんな質問ができるのは、彼と僕が昔どこかで会ったことがあるからか。
それとも、自分自身が偽りの存在であるからか。
前者の可能性は低い。
もちろん、僕が彼に会ったのは記憶の中では初めてだし、彼に会ったときも、そんな素振りはなかった。
そうなると後者だ。
黒瀬Aは、偽名。
その可能性はあるが、何のために…？少なくとも、ゼロの中に彼の姿を見たことはない。
警戒心は残るが、組織のメンバーではないだろうし、何かを企んでいるようには見えない。
しばらく観察して、あとで彼の素性を調べることにした。
不思議なのは、彼といても嫌じゃないことだ。
家について、合鍵を渡し、恩を返すためになんでもするという。
彼は謙虚な人間だと思う。
自分の芯を、しっかり持っている。
しかし、風呂に入りに行った彼の着替えを置いておこうと、脱衣所の扉を開けたときに聞こえてきた言葉に、僕は動きを止めた。
『黒ずくめの組織……。ジン、ウォッカ…あと、ベルモット』
水音に紛れて聞こえたその言葉に一瞬思考が止まった。
ジン、ウォッカ、ベルモット。黒ずくめの組織。
彼は組織のことを知っている。それだけじゃなく、メンバーまで。
彼は一体、何者なんだ。
他の国から要請されたスパイの可能性もある。
そして、ありえないが、僕の知らない組織のメンバー…。
いや、そんなことは…。
冷静さを取り戻し、そっと脱衣所に着替えを置くと、僕はすぐに風見へとメールを送った。
“黒瀬Aという男の素性を調べろ”と。
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096 - ゆずりはさん» 返信遅くなってしまいすみません…！2週目嬉しいです！改めて楽しんで頂けると幸いです！ (12月5日 20時) (
レス) @page23 id: 5783aede03 (このIDを非表示/違反報告)
ゆずりは(プロフ) - 2週目読ませて頂きます！黒瀬くんめちゃくちゃ好きです！♡ (11月14日 20時) (レス) @page2 id: c114e89f61 (このIDを非表示/違反報告)
096 - はるさん» 返信遅くなってしまい申し訳ありません！２回目読んでいただきありがとうございます!!ハロと出会うのは444話です！ (2022年9月13日 15時) (レス) id: 5783aede03 (このIDを非表示/違反報告)
はる - すごく面白いです！！！ストーリー読みやすくて、２回目を見てます((笑。 聞きたいことがあって、ハロと出会うシーンって何話でしたっけ？思い出せなくて、、、 (2022年8月11日 17時) (レス) id: 9c65c52711 (このIDを非表示/違反報告)
096 - みこさん» ありがとうございます！とても長いですが、ぜひ楽しんでください！ (2019年8月21日 22時) (レス) id: d9ca70487a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：096 | 作成日時：2019年1月30日 17時
