12話 ページ13
『安室さんは…本当に安室さんですか?』
「は…?」
思わず口をついた言葉に、やばい…!と思い直る。
さっき余計なことを言って後悔したのに!
『い、いや…っ!なんでもないです!』
もしかしたら、彼も俺と同じ、偽名ではないかと。
そう疑ったが、こんなこと言ったら怪しまれるに決まってる。
こんなに墓穴を掘って…、警察失格だ。
「…面白いことを言いますね、黒瀬さん」
正面を向いたままクスクスと笑う安室さん。
「もしかして、自分が偽名だから、僕のことも疑ってます?」
核心をつくような口ぶり。
『あ、ははー…そんなわけないじゃないですか。ちょっとした冗談ですよ』
流石にこれ以上はまずい。
本当のことを言ったところで、頭のおかしい奴だと思われるだけだ。
『ミステリーとか好きなので、その真似事です』
「黒瀬さんも、探偵に向いてるんじゃないですか?」
本気なのか冗談なのか。
とりあえず、話題を逸らしたい。
『あー…っと、俺も何かバイト探さないと。あと、家も…』
「家が見つかるまで、僕のところにいてもいいですよ。留守にすることが多いですが。あと、寝室は探偵業で扱ってる依頼人の個人情報がたくさんあるので、入らないようにお願いしますね。ソファで寝てもらうことになりますが、リクライニングなので」
『全然大丈夫です!むしろ本当すみません、何から何まで…』
「遠慮しないで下さい。着きました」
駐車場に車が停まる。
安室さんの家は普通のアパートだった。
ここが本当の家かは疑わしいところだが。
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096 - ゆずりはさん» 返信遅くなってしまいすみません…!2週目嬉しいです!改めて楽しんで頂けると幸いです! (12月5日 20時) (レス) @page23 id: 5783aede03 (このIDを非表示/違反報告)
ゆずりは(プロフ) - 2週目読ませて頂きます!黒瀬くんめちゃくちゃ好きです!♡ (11月14日 20時) (レス) @page2 id: c114e89f61 (このIDを非表示/違反報告)
096 - はるさん» 返信遅くなってしまい申し訳ありません!2回目読んでいただきありがとうございます!!ハロと出会うのは444話です! (2022年9月13日 15時) (レス) id: 5783aede03 (このIDを非表示/違反報告)
はる - すごく面白いです!!!ストーリー読みやすくて、2回目を見てます((笑。 聞きたいことがあって、ハロと出会うシーンって何話でしたっけ?思い出せなくて、、、 (2022年8月11日 17時) (レス) id: 9c65c52711 (このIDを非表示/違反報告)
096 - みこさん» ありがとうございます!とても長いですが、ぜひ楽しんでください! (2019年8月21日 22時) (レス) id: d9ca70487a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:096 | 作成日時:2019年1月30日 17時