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ーーー幼い日の事を思い出した。
そうだ、あの日も今日と同じような満月の夜だった。
『嗚呼堪らない、幼いその柔肌はどれだけ芳醇な味わいだろう』
『いや！辞めて！！助けて....！お父様、誰か、誰か...！！！』
呼吸が苦しい、ひゅうひゅうとおかしな音をたて私は体を震わせる。
『雅楽代殿、貴殿の娘は鬼が喉から手が出る程望む�犁�血�瓩了�ち主です』
『おお........なんという事だ......』
『この先も命を狙われ続けるでしょう、そうなれば他の御家族の命も.....』
ねえお父様、なんの話しをしているの？
さっきの化け物はいったいなんだったの？
『A、お前の離れに藤の花を植えさせた。之は鬼避けになるそうだ、きっとお前を護ってくれるだろう』
ーーーーどうして、お父様？
何故お兄様やお姉様は良いのに、私は1人で食事をしなくてはいけないの？
ーーーーどうして、お母様？
何故私を見て涙を零すの、私を抱きしめて謝るの、私は、お母様が大好きなのに。
どうして、どうして、どうして
｢ふふ、あは..ああ、そうか......｣
そうか、そういう事か。
やっと分かった、私に人より自由が無かった理由。
あの藤の咲き乱れる離れに隔離された訳。
｢どうした？恐怖で気でも狂っちまったか？｣
私は人より鬼を引き付けてしまうから。
家族を危険に晒さない為、雅楽代家の存続の為。
そうせざるを得なかったのね。
｢まあ良い、どうせすぐに俺の胃袋の中に収まるんだ｣
ーーーこんなに簡単に、終わってしまうの？
まだ人生はこれからな筈だったのに、こんな冷たい地面が最後に見る景色で、数秒後には此奴の胃に納まって....？
嫌、嫌、嫌、嫌！！！！！！！
こんな、こんな所で終わりたくない。
せめて、せめて最期に一目...
｢助けて、月彦さん.......｣
せめて最期に彼の顔を見たかった。
｢何をしているんだ｣
鼓膜に届いたそんな声。
嗚呼、間違いない、この声は、
私の、私の愛するーーーー
｢月彦さ.......！｣
｢ヒイッ！！！！な、何故貴方様が、このような所に......！｣
え？
｢なんと浅ましく醜い、十二鬼月ですらないお前のような小物がこの私のモノに手を付けようとは｣
｢お、お、お許し下さい、まさか貴方様のモノとは思いもせず、このような無礼を...｣
｢もういい、黙れ、お前の声は酷くーーーーー耳障りだ｣
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舞(プロフ) - 更新頑張ってください^_^ (2021年2月9日 0時) (
レス) id: e826140184 (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 続きを楽しみにしてます！！ (2020年11月8日 13時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
ぼたんあめ(プロフ) - この小説とっても好きです！更新応援してます♪ (2020年10月27日 7時) (レス) id: 07fb25626d (このIDを非表示/違反報告)
えむ(プロフ) - 初めまして突然すみませんこちらのお話読ませていただいたのですが見ていてとても続きが気になりました！更新頑張ってください、楽しみにしています！ (2020年2月1日 20時) (レス) id: 41deac151f (このIDを非表示/違反報告)
カオリ(プロフ) - 無限城が無惨城になってますよ。気になってしまってすみません。 (2019年11月16日 23時) (レス) id: f2976f8dda (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：旧華 | 作成日時：2019年11月2日 0時
