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撮影が始まり、チェックが入る度にメイクさんが髪を整えたりたまにリップを塗り直してくれた。
｢ありがとうございました！｣
堀｢ありがとうございました｣
撮影が終わり着替えたら控え室に戻る。
帰ろうと思い、忘れ物はないかカバンの中を見た。
｢あれ、ない、｣
スーツを着ての撮影だからアクセサリーは全て外そうと、梅とのペアリングとプロポーズされた日に貰ったネックレスと梅に貰ったブレスレットを一緒に入れて置いたアクセサリーケースが無くなっていた。
カバンの底を探しても見当たらない。
部屋を見渡してもどこにもない。
カバンの中に絶対入れたはずなのに
｢ない、どこ、｣
れな｢なにがないんですか？｣
入口の方からそう聞こえて振り返るとれなさんが立っていた。
｢あ、えっと、アクセサリーケース、です｣
言おうか一瞬悩んだけど、もしかしたら場所を知ってるかもしれない。
疑うのは酷いけどもしかしたらの話だ。
そうではないことを祈る。
れな｢あー、あの指輪とかが入ってるやつ｣
疑いは確信に変わった。
｢どこにやったんですか｣
れな｢やだな〜知りませんよ、私を疑ってるんですか？｣
｢知ってるくせに。私あなたに1度もそのケース見せたことありません。なんで指輪とかが入ってるのを知ってるんですか。｣
口調からして、｢指輪とかが入ってるやつ、｣と言ったのはわざと。
私をおちょくってるのだ。
れな｢私はこれしか知りませんよ｣
そう言って見せてきたのは私のアクセサリーケース。
｢っ！返してください！｣
れな｢ん〜どうしよっかなぁ｣
｢大事なものなんです。お願いします。返してください｣
丁寧にお願いしても返してくれそうにない。
私よりも身長が高く、さらに厚底靴を履いてるれなさん。
｢返して！｣
手を伸ばしてもれなさんが手を伸ばしてしまえば絶対に届かない。
｢かえしてっ、｣
悔しくて、涙が出る。
れな｢あら、泣いちゃった？ふふっ笑 きもーい｣
ああ、もう最悪だ。
れな｢そんなに大事なものなの？これ｣
｢大切なものです。｣
れな｢ふーん。はい、返してあげる。｣
ほんとに？！ってれなさんを見ると目の前をとおりすぎたのは変なところで切れたネックレス。
れな｢はい。｣
｢う、、そ、｣
足の力が抜けてその場に座り込んだ。
大切なネックレスなのに。
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作者名：ふわり | 作成日時：2021年8月21日 7時
