隣の席 ページ2
【高校時代】
梅｢日向、さんだよね？｣
入学して最初の席替えで隣になった梅は私の事名字にさん付けで呼んできた。
｢そうだよ｣
私はいつものニッコニコの笑顔で答えた。
別に作り笑いしてる訳じゃない。
小さい頃から人と話す時に笑顔を作ってたら中学に入学した頃からそれが癖みたいになってて
梅｢よろしくね｣
私が笑顔で答えると梅も笑顔で言ってきた。
｢どうも。｣
あー、この笑顔でみんなやられるんだろうなって思ったけど私は別に響かなかった。
梅が大っ嫌いって言ってる高校だけど、私も好きじゃなかった。
まず私が は？ って思ったのは入学して一ヶ月後に席替えをしたのにそれから2ヶ月がたっても席替えをしないこと。私は席替えが大好きだ。
それにずっと梅の隣とかいつか誰かに虐められそう
『おはようA！何聞いてるの？』
朝、音楽を聴いてると登校してきた友達に聞かれた。
｢あ、おはよう、クラシックだよ｣
この発言がいけなかったらしい。
放課後帰る準備をしてたら声をかけられた。
梅｢日向ってクラシック好きなの？｣
｢うん。中学の先生がクラシック大好きで、めちゃめちゃ鑑賞させられてた｣
梅｢ふーん。俺も好き｣
｢そう。｣
梅｢興味無さすぎじゃね？もっと興味もてよ｣
｢梅原に？｣
2ヶ月も同じ席ってことで隣同士だった私達は名字を呼び捨てできる関係まで行った。
果たしてこれは仲がいいのは悪いのか分からないけど。
そしてわかったことがいくつかある。
梅｢俺これでも学年一モテてるんだけど｣
ものすごくナルシスト。
｢部活は？｣
梅｢俺の話無視かよw今日はオフ｣
｢あ、そう。｣
軽音部のボーカルをやり始めたらしい。人から聞いた話だけど。だから歌うことも好きなんだろう。
梅｢ねぇ、今から帰るの？｣
見て分からないのかな？
｢そうだよ｣
梅｢じゃあちょっと付き合ってよ｣
絶対やだ
｢この後塾があるの｣
梅｢ふーん。じゃあ途中まで一緒に帰る｣
どうぞご勝手に。
表ではニコニコしてるけど心の中はドス黒い私と何を考えてるのか常に分からないけどモテモテの梅原。
これが出会いだった。
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作者名：ふわり | 作成日時：2021年2月16日 22時
