梅の季節(終)

怒ったこうちゃん ページ31

西｢なにあれ。｣

去っていった梅ちゃんに今にも殴りかかりそうな勢いで立ち上がるもんだから思わず目の前にあったズボンの裾を掴んだ。

｢まっ、て、喧嘩中なの｣

西｢喧嘩？｣

｢私が悪いの。｣

なんで？って顔で見てくるこうちゃん。

喧嘩の理由は言えない。

｢私が……悪いの｣

だってなんて言うの？
こうちゃんと話しすぎなのが嫌って言われたって言うの？そしたらこうちゃんはじゃあもう話さない方がいいよね？ってなっちゃう？やだ。大好きな友達(・・)だもん。

西｢はぁ。なんでそうなったのかは敢えて聞かないけど。元気がなかったのは喧嘩中だから？｣

｢うん。｣

西｢……もしかして昨日から？｣

｢…うん｣

西｢珍しいね、2人が一日で仲直りしないの…｣

｢なんで昨日からってわかったの、｣

西｢梅ちゃん、めちゃくちゃ落ち込んでたよ。もうこのまま消えちゃうんじゃないかってレベルで存在感も薄かったし。｣

｢え、｣

西｢梅ちゃんがね？｣

ため息めちゃくちゃついてたよって。

梅ちゃんが？

西｢あーもう！めんどくさいね君たち
先輩が2人のために頑張ってあげる｣

そういったこうちゃんは私を立ち上がらせてくれてさっきまでいた部屋に連れてってくれた。

｢あ、下野さんおはようございます｣

下｢おぉ、おはよう｣

西｢ちょっとAをお願いします！｣

下｢う、うん、わかった、任せて｣

なんの事だかよくわかってない下野さんに私を預けて廊下に飛び出したこうちゃんは

アフレコが始まる寸前に帰ってきた。

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