梅の季節(終)

モテる彼女 ページ29

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Aが西山とか江口さんとかと話してるところを見るとなんかやだなぁって思うくらいだった。

Aが男性声優さんとどんなに仲良くても友達としか見てないことなんて分かってる。

でもたまにすごく不安になることがある。月に一度くらいのペースで。

もし、その中の誰かを好きになってしまったらどうなる？Aは俺に別れようと言ってくるだろう。
そうなったらきっと俺はおかしくなる。

毎月、こういう気持ちになっためんどくさい俺をAは面倒くさがることなく抱きしめてくれる。
それだけでものすごく安心する。


だから今月もそういうふうに乗り切れるだろうと思ってた。


ｽﾀｯﾌ｢俺、Aさんのことガチで好きなんだよね。｣

どこかで話してるスタッフの人たちの会話が聞こえてくるまでは。









チラッとそのスタッフの顔を見てみるといつもAと仲良さそうに話してる人だった。



声優界でもそう思ってる人がいるかもしれないって言う思考が頭の中でぐるぐる回る。



Aが好きにならなくても江口さんや西山、ヨシキ達は好きになってしまうかもしれない。

逆にAが相手を好きになってしまうかもしれない。

どっちにしたって俺がこの先一生Aと一緒にいられるとは限らない。


なんて、おそらくこの世界で1番めんどくさい生き物になった俺。



その日は家に帰ってもAはまだ帰ってきてなくて
待ってようと思ったけど眠さに勝てずAに会うことなく寝た。



次の日の朝、俺は俺が不安に思ってることをAに伝えた。
わかったって言ってくれると思ってた。

でも、Aは
え、なに。って。精神的に不安定な俺は思わず強く言ってしまう。


仕事上仕方がないって正論を並べられて余計イライラして。

昔、どこかで読んだことのある小説だか漫画で主人公の女の子が彼氏に｢私と仕事どっちが大切なの｣って怒ってるシーン。
それを思い出した。


うわ。今めっちゃその気持ちわかる。



やめてって言っても返事がなくて出来ないの？って聞くと黙り込むA。


不満なのかよ。出来ねぇのかよ。全てに対して腹が立ち思わず部屋を出た。







まだ仕事まで時間あるし……

てかなんで追いかけてこないの？？？？

不安→←長期戦？

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