3本の指 ページ10
早朝5時
久しぶりに走りたくなった俺は
ジャージに着替え
薄暗く肌寒い外に飛び出した
まだ慣れない道をゆっくり進んで
川沿いにでる
誰もいない静かな空気に心地よさを覚え
軽くスピードを上げる
後ろから足音が聞こえ、
数秒後には誰かが横を通り過ぎた
白いジャージ、俺より身長は上か
見たことがある横顔
あれ、もしかしてこの人が
『..牛島..若利..？』
ボソッと呟いただけなのに、どうやら聞こえていたらしい
走るのをやめて、こっちを静かに向いた
「俺がどうかしたか？」
やっぱり、合ってたんだ
というか、呼び止める訳でも無かったから
どう反応すればいいか分からなくなる
『ぁ、えっと呼び止めるつもりはなかったんですけど』
そういうと、そうか
と言ってまた視線を前に戻した
と、思いきやまたこっちをむいて
「お前は、直希Aか？」
そう尋ねた
え、何で俺の名前...
東北の牛島と呼ばれる凄い人に
『はっ、はい』
「やっぱり、宮城に来ていたのか」
『え、どうして知ってるんですか？』
「佐久早が言っていた、宮城に引っ越すと」
何で、俺、佐久早さんに何も言ってなかったのに
というか、
話したのも数えられるほどだし、名前覚えて貰えてたんだっ
「何故、白鳥沢に来なかった。お前の実力ならスポーツ推薦で来られただろう」
確かそんな話も出てたっけな
強豪校からの誘いも、全部断ってたからな
『すいません、俺、もう高校ではバレーをしないって決めたんです』
俯きながら
全国でも3本の指に入る牛島さんに
そんなことを言われて正直嬉しかった
実力を認めてもらえていた気がして
「お前はそれでいいのか？」
『俺はっ...』
「何があったかは知らない...が、おおよその検討はつく。逃げるのか」
かぁっと、顔が熱くなるのがわかる
逃げている、自分自身から
過去から
自分でも分かっている
「...明日、4:30。白鳥沢へ来い。シューズと、服を持って」
答えるのに躊躇っている俺を見て、
牛島さんはそういった
『えっ、ちょっ』
返事をする間もなく、また走り出した
え....まじでかよ...
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翔飛(プロフ) - 続きってありますでしょうか？いつもいいお話ありがとうございます！これからも頑張ってください！！ (2022年5月11日 15時) (
レス) @page15 id: 4b13e88e37 (このIDを非表示/違反報告)
桜空(プロフ) - なんか、直樹くん芸能人の誰かに似てる (2020年6月2日 17時) (レス) id: 5d75f9a852 (このIDを非表示/違反報告)
ゾダ - ゆっくりでいいので、更新頑張って下さい！ (2020年1月16日 17時) (レス) id: 5fa8299721 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：fumi | 作成日時：2019年3月26日 22時
