可愛い僕【黒子のバスケ】【悪男主】

可愛いが9つ ページ10

『57..58..59...7分』


体力作りのための週1のランニングの時間


ストップウォッチを片手に、
それぞれのタイムを測っていく


前回より、落ちてるな
そんなことを思いながらノートに記録する


やっぱり、1番早いのは征十郎だな
テツヤはまぁ、最近1軍の練習に慣れ始めたばかりだし


全員が終わったところで
体育館へ戻り、シューティングに移り始めた


『テツヤ、前回よりタイム伸びてるよ。お疲れ様！』


疲れ果て、顔が引きつっているテツヤ
隣に行き、少し目線の高い彼の目を見つめると
ランニングなんて無かったかのように元気になる


そんなとこも可愛いななんて


『最近人一倍頑張ってるもんね、そんな君に僕が何か1つお願いを聞こうー』


人差し指を顔の前に出し
他の人には聞こえないような声で囁く


「...なんでも、いいんですか？」


『うんっ、僕に出来ることなら何でも』


こうやって、テツヤに特別感を持つように促す
そうして心を掴んでいくんだよ


部活中にこんなことをしていいのか
そう思う人もいるだろうね


でも、ね



「週末、２人で出かけませんか..？」


『いいよ、テツヤと2人っきりは初めてだね！週末まで色々頑張れる！』


「本当ですかっ？...僕も頑張れます」



ほら、士気を上げれてるでしょ？



これが僕のやり方なの



そんな風に話しているとき
突然体育館の入口が開いた


「こんちわーす」


サボり魔の祥吾が珍しく1時間以内に部活へやって来た



そして後ろには


「こんにちはー、部活見学にきました。海崎です」



.....ふーん、
なるほど


祥吾を使って入部しようとしているのか
これなら、誘われたとかいって自然に近づけるもんね
モデルの仕事より涼太を選んだね


キセキの世代(涼太除く)と虹村さんは警戒の目を彼に向けた


『皆、そんなに怖い顔しないで！』


僕は大丈夫だから
僕には負ける自信はないから



僕は海崎くんの側に駆け寄り
精一杯の笑顔で、よろしくね
そう言った



「あぁ、よろしく」



"頑張るよ、色々とな"




"(お前を潰すために)"

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