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あ、頭の整理が追いつかないっ!
だって、これは……どゆこと?
え?ま、まさか……そゆこと?
え?まってまってまってーーー?!
「……やまっ、はぁっ……足、もっとこっちっ」
「あ……んっ、ゆとっ、ゆう……とっ」
言うに事欠いて、私の耳のそばで山田がアンアン声をあげる。
なに、ワザとなの?わかってやってんの?
こんなとこに潜り込んでんのは、あんたのそんな声を聞くためじゃないんだよっ!
それに痛いから!ナニをそんなに暴れてんのよ、あんた達はっ?
その時、揺れて跳ねてた山田が一際甘く甲高い声を上げた。
な、なななななぱなぱなぱなぱっっ……
「……やまっ、まだだよっ?」
はーーぁ?!なにunstoppableってか?どぅりらげんてか、俺まだってか??!!
さっすが裕翔くん♡……じゃなくっていやいやいやいや、ちょっと待たんかーーーいっっ!!!!
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「俺のだから」
突然、そうハッキリと耳元で低い声がした。
氷の声音にギクリとした。
その瞬間、私は凄い力に引き戻されるように目を覚ました。
私は自分の部屋にいた。
心臓がバクバクいってる。
え?……夢?
な、なんてリアルな。
重みや声が、まだ身体に耳に残ってる。
尋常でない程の冷や汗をかきながら震える手を見つめていると、付けっ放しのテレビからニュースが流れてきた。
『……付きまといをした行為で20代の女が逮捕されました』
あ、あぁ、あの女、逮捕されたんだ……。
つきまといを止めて正解だった。
いや、それならあれは……全部夢だったの?
確かに私はベッドに潜り込んで、彼の部屋に行き、彼の手の温もりを感じて……
いや、でもまさか。
この先はさすがにありえない。
まさか、そんなハズ……。
そう何度も思い返していたその夜、歌番組に裕翔くん達が登場した。
そして、山田さんはドラマの主人公よろしく裕翔くんを後ろから力一杯抱きしめて、テレビの中から、私の 目を 見た。
「俺のだから」
耳に蘇った言葉に、私はがっくりと床に崩れ落ち、これでもかと敗北を味わった。
―――――――――――――
でも、考えたら他の女に取られるよりずっとマシ、いやそれどころか最高じゃね?と気づいた彼女は、なんとかまた録音機片手にベッドマットに潜り込めないかと画策してる……とかしてないとか。
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はなこ(プロフ) - しろくまさん» ワンシチュかっけぇ!と挑戦してみたら結果ドタバタという汗 しろくまさんのような大御所様に読んで頂けてこちらこそ幸せです!ありがとうございます! (2023年3月7日 21時) (レス) id: c2e437d80c (このIDを非表示/違反報告)
しろくま(プロフ) - 久々の「はなこ」節に腹を抱えて笑いました!はなこ様のお話をまた読むことができて幸せです!ありがとうございました! (2023年3月7日 19時) (レス) id: d7e22074ad (このIDを非表示/違反報告)
はなこ(プロフ) - めめめさん» めめめさん、ご無沙汰しております汗 なんて素敵な褒め言葉!こちらこそコメントありがとうございます!! (2023年3月5日 0時) (レス) id: c2e437d80c (このIDを非表示/違反報告)
めめめ(プロフ) - うわーーー!はなこさま新作嬉しゅうございます!!相変わらずキレていらっしゃる!!ありがとうございます (2023年3月5日 0時) (レス) @page22 id: 1ec0dcf065 (このIDを非表示/違反報告)
はなこ(プロフ) - ももさん» ももさん、いらっしゃいませ!そうなんです、賊の顔を見た時の鴨さんのお顔が一瞬そう見えたんですよ…(妄想が酷い)感想ありがとうございました!! (2021年11月9日 17時) (レス) id: c2e437d80c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はなこ | 作成日時:2019年9月24日 1時