Emergency 6 ページ8
どうする、どうしよう。
これはきっと悪い夢なのだということでもう一度横になって目を閉じてみるという案を実施したが、隣で眠る上司が寝ぼけて手を伸ばしてきたので即座に夢ではないと判断しこの案は却下になった。
もしかしたら、たまたま暑くて二人とも裸で寝ているだけであってそのようなことはなかったかもしれない、と思ったが、部屋の入り口のドアからベッドまで脱ぎ捨てられた衣服が少しずつまるでヘンゼルとグレーテルかのように落ちて道を作っていて、昨日の夜このベッドまで一直線だったのは一目瞭然だし、ゴミ箱には明らかに使用済みのゴムが数個捨ててあった、何より身体が痛い。
このことから私と降谷さんが一線を交えたことは揺るがない事実となってしまった。
(えっなんで?どうしてこうなったの?え?まさか私が降谷さんを襲っ、、いやでも力で降谷さんが私に負けるわけないしやっぱり降谷さんも酔ってた?)
男は酒が入ればなんとも思ってない女でも抱ける、といつか聞いた話を思い出す。
泣きそうになった。
男性経験はもちろん今まで彼氏もいなかったのだ、なのにこんなところではじめてをなくすなんて、悲しすぎる。
そして何より、このことを降谷さんが起きて思い出せばきっとプライドエベレストな彼を傷つけてしまい輝かしい彼の未来に影響してしまうかもしれない。
いくら酔っていたとはいえ私なんかと寝てしまったことがバレたら、、、
一筋の冷や汗が頰を伝った。
幸い彼はまだぐっすり眠っている。
こうなったら私たちが一線を超えてしまったという事実を無かったことにするしかない。
そしてこのことを私は誰にも話さず墓場まで持って行く。
決めた、そうしよう。
はじめてを無かったことにするのはとても悲しい、が、背に腹は変えられない。
腹をくくって私は立ち上がったのである。
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Taniokapi(プロフ) - めっちゃ良かったです!降谷さん好きにはたまりませんね(笑)素敵な小説をありがとうございます! (2021年8月17日 19時) (レス) id: f9db5fc732 (このIDを非表示/違反報告)
未桜(プロフ) - ストーリーがとても好きで一気読みしてしまいましたw折角の面白い小説だと思ったので一つ指摘させてください!12話の絶対零度から氷点下に気温が下がった表現ですが、絶対零度は最低温度の−273度なので逆でないと気温が上がっていると思います…細かくてすみません! (2018年11月16日 22時) (レス) id: 5126538094 (このIDを非表示/違反報告)
響(プロフ) - 後日談が好きすぎてニヤケが止まらずスマホ片手にニヤけてるとても変人になってます…← ふみさんの作品大好きです! (2018年9月13日 18時) (レス) id: 229194c5dd (このIDを非表示/違反報告)
Maho(プロフ) - こんばんはー、はじめましてまだ途中ですがとっても面白く、ニヤニヤしながら読んでました! (2018年9月11日 21時) (レス) id: e66d7d83c8 (このIDを非表示/違反報告)
結愛(プロフ) - 夢主ちゃんの怒り方が可愛い...(昇天) (2018年9月2日 9時) (レス) id: 4e4bc357c1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ふみ | 作成日時:2018年6月13日 22時