Emergency 3 ページ5
「ワイン飲むか？」
「あ、いえ、あまりお酒は得意ではないので大丈夫です」
国家規模の秘密を取り扱う公安警察官は、酒に酔うことが許されない。
なので私は極力お酒を控えることにしている。
そもそも私はお酒にあまり強くない。
酔ってしまうのが目に見えているからである。
しかも今は降谷さんの前だ、絶対にダメだ。
その私の考えを察したのか降谷さんはふっと笑うと、
「今日は気にしなくていい、酔っても大丈夫だ。ここの白ワインはすごく美味いんだが、どうだ？」
この人は本当にずるいというかなんというか、
上司の勧めを断るわけにはいかない。
「じゃあ、一杯だけ、、」
降谷さんは満足そうによしっと言うとメニューを閉じなんだか嬉しそうに店員に注文しているのであった。
「あれ覚えてるか？お前が松田の爆弾処理練習の模型壊して真っ青な顔で萩原に助け求めてたやつ」
「覚えるに決まってるじゃないですか！もーーあの時ほんとに焦ったんですよ！！しかも結局直せなくてゲンコツくらって、、」
「筆記も体術も狙撃もちょっと教えればすぐ上手くなったのに爆弾処理だけは苦手だったよな、お前」
「今もあんまり得意じゃないですよ、ていうか爆弾で思い出したんですけど、初めて松田さんの爆弾の模型借りた時、残り10秒のカウントダウンが新年のカウントダウンみたく音もついててドキドキして心臓もバックバクで結局解除できなくて緊張しすぎたせいで謎に私吐きましたよね」
「いやあれは本当にびっくりしたしお前がゲロ吐いたせいで萩原が笑いすぎて過呼吸になったよな」
降谷さんは、なぜ私が落ち込んでたのか聞いてくることはせず、私の警察学校時代の思い出話にたくさん付き合ってくれた。
お酒が入ったおかげか程よく緊張が解け、私の口も軽くなり、降谷さんと話すのは本当に楽しかった。
雲行きが怪しくなったのはその店を出た時だった。
少ししか飲んでいないはずなのになんだ身体がふわふわして少しふらついた私を降谷さんが抱きとめてくれたところまではいい。
「この先に行きつけのバーがあるんだ。行ってみるか？」
「バー？行ったこと、ないで、す」
「行ってみたいか？」
「、、、、はい」
冷静に考えればそこでこれ以上お酒を飲むのは危険だと分かっていたはずだったのに、ワイン一杯ですっかりやられていた私にはそんな判断力はなかったのである。
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Taniokapi(プロフ) - めっちゃ良かったです！降谷さん好きにはたまりませんね(笑)素敵な小説をありがとうございます！ (2021年8月17日 19時) (
レス) id: f9db5fc732 (このIDを非表示/違反報告)
未桜(プロフ) - ストーリーがとても好きで一気読みしてしまいましたw折角の面白い小説だと思ったので一つ指摘させてください！12話の絶対零度から氷点下に気温が下がった表現ですが、絶対零度は最低温度の−273度なので逆でないと気温が上がっていると思います…細かくてすみません！ (2018年11月16日 22時) (レス) id: 5126538094 (このIDを非表示/違反報告)
響(プロフ) - 後日談が好きすぎてニヤケが止まらずスマホ片手にニヤけてるとても変人になってます…← ふみさんの作品大好きです！ (2018年9月13日 18時) (レス) id: 229194c5dd (このIDを非表示/違反報告)
Maho(プロフ) - こんばんはー、はじめましてまだ途中ですがとっても面白く、ニヤニヤしながら読んでました！ (2018年9月11日 21時) (レス) id: e66d7d83c8 (このIDを非表示/違反報告)
結愛(プロフ) - 夢主ちゃんの怒り方が可愛い...(昇天) (2018年9月2日 9時) (レス) id: 4e4bc357c1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ふみ | 作成日時：2018年6月13日 22時
