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douze cafe ページ13

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ドアが開いて彼が入ってくる。

私は仕事をしている手を止めて、それをただぼーっと見つめていた。

彼はレジに近寄り、何気なく私のいる方向に目を向ける。

その瞬間、目が合いそうになって、何故か私は思い切り逸らしてしまった。


目、合いそうになっちゃった…

っていうか、思いっきり逸らしちゃった…!

感じ悪かったかな…


そんな風に不安になりつつ、彼の頼んだカフェオレを作っていく。

店の隅まで充満しているコーヒーの香りがさらに濃くなり、優しい香りのミルクが足される。

一気にまろやかな香りになったカフェオレをカウンターへと持っていく。


「お待たせいたしました! カフェオレです」


そう、笑顔で言う。


不安になった心も彼の姿を目の前にしたら、どこかへ消えてしまった。

むしろ、どれだけ否定しても心のどこかで嬉しいっていう気持ちがあって。


そんな私の心の揺れには気づくはずもなく、彼はいつものように手を伸ばす。

そして、お礼を言うかと待ち構えていると、


「お、お久しぶりです」


と、最初の声が裏返りながら、そう話しかけてくれた。

初めてのその行動に、私は状況を飲み込めず、


「お、久しぶりです。えっと、お仕事、お忙しかったんですか?」


と、途切れつつ彼に言葉を隠した。


お客さんは彼の後ろにはいない。少しくらいなら、多分大丈夫。


そんなふうに少し言い訳をして、彼の顔を見る。

彼の表情は相変わらずマスクで見えなかったけど、何となく緊張しているような、そんな気がした。


「ありがたいことに忙しくて…朝にちょこちょこは来てたんですけど…」

「あ、最近大学の方が忙しくて、夜しか入れてなかったんです」

「そうなんですか…すれ違ってたんですね」

「ですね。でも、お元気そうで良かったです」


何とも言えない緊張感が漂う中、そう言葉を交わす。

私がそう言って笑えば、彼はまた更に緊張した風になって、何かを考える。

そして、顔を上げて私の顔を見て、何かを言いかけた時、


「竹内さん。キャラメルラテ一つ」


と、先輩に名前を呼ばれて遮られた。


「は、はい! 今すぐ!」


そう返事をして彼の方を見る。


「さっき何か言いかけてませんでしたか?」

「いや、大丈夫です。カフェオレ、ありがとうございます」


彼はマスクの奥で微笑んで、いつもの席へといってしまった。

私は、初めて見たその微笑みを想像しつつ、ドリンク作りに戻ったのだった。

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mifulu(プロフ) - ほわさん» ご指摘ありがとうございます! バーコードって変ですね笑 これからもよろしくお願いします。 (2019年9月10日 9時) (レス) id: 8875a6e61c (このIDを非表示/違反報告)
ほわ(プロフ) - 誤字とかじゃないんですけど、最新話のバーコードはQRコードにした方が良いと思いますよ!続き楽しみにしてます!更新頑張ってください! (2019年9月10日 0時) (レス) id: d0efce02c1 (このIDを非表示/違反報告)
mifulu(プロフ) - 白うさぎさん» ありがとうございます! ゆっくりになるとは思いますが、楽しんでもらえるよう頑張ります。 (2019年7月21日 23時) (レス) id: 477f578196 (このIDを非表示/違反報告)
白うさぎ - とても面白くて、毎日楽しみにしています!更新頑張って下さい(*^^) (2019年7月21日 17時) (レス) id: 33733f1464 (このIDを非表示/違反報告)
mifulu(プロフ) - 華恋さん» 初めまして(*^^*) ありがとうございます! テストが近いのでゆっくりになるとは思いますが、期待に応えられるように頑張ります! (2019年6月30日 10時) (レス) id: 80a048a51f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:mifulu | 作成日時:2019年6月10日 0時

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