Quoi que vuos【時透無一郎】３rd

vraiment ９３ ページ11

全国大会 当日──────






既に始まっている中学生部門



私は御守りを握って待機していた。

緊張している時の時間の流れは異様な程に速く感じる。



母「あら、A…」


急に話しかけられたからビクッと肩が跳ねる。
緊張しているせいもあるのか？


母「いつの間に御守りなんて買ってたの？」



貴「あー、いやこれ…もらったの」


そう言うとお母さんは悪戯に微笑んで「彼氏？」と聞いてきた。
この人、本当にそういう話好きだよな。

彼氏じゃない、と言おうとすると無一郎さんの言葉が脳内に蘇ってくる。




無『俺の彼女だから』




私も彼氏って言っても良いかな、なんて……









＊





＊





＊









ハッ




いやいやいや私は何を考えてるんだ！？
本番目前で！！！！




母(あら顔赤い…青春してるわね〜)




落ち着け、落ち着け、落ち着くんだ！！！
心臓の鼓動よ、止まれ！！
↑
(めっちゃテンパってる)






荒々しく呼吸をしていると不意にふわっと抱きしめられた。




母「大丈夫よA、いつも通りに」




お母さんは背中を優しくさすってくれる。


その手の温もりが私を落ち着かせてくれて強張っていた体の力が抜けていった。




………………そろそろかな

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