29.鼻セレブ ページ32
「国語……二年生の最後の成績だと５だったケド」
「やっぱりですか！ あの、血液と酸素と脳のやつ……ゔっ！？」
音駒のかけ声的なやつについて聞こうと思ったのに、いきなりジャージの首あたりを引っ張られて遮られた。
「いやースミマセン。うちのマネージャーが……」
「なんっでアンタはこういう時ばっかり邪魔すんの！？
菅原！！」
「そろそろ外に集合だけど」
「あ待ってそれはヤバいごめんなさい」
「ティッシュありがとうございました」と音駒の主将の人に頭を下げて、急いでボトルが入った箱を持ったまま走った。
＊
菅原 side
「……あのマネージャー、三年生？」
「そうだけど……」
音駒の主将は浦塚が去っていった先を見つめながら「ふーん」と呟いた。
「あの子、現実主義って感じだよね」
それを聞いて、音駒の主将が思ったことを遠回しに言っているのだと理解した。
浦塚が何を考えているのかは、一年から同じクラスだったからなんとなくわかる。
定期テストは常に一位。塾の模試も偏差値は60以上。
「……三年は皆んな知ってるよ」
＊
A side
「は、鼻セレブありがとうございました……」
帰り際、澤村とお互いの手が折れそうなほどの握手をしていた音駒の主将に貸してもらったティッシュを返した。
「浦塚、もらったティッシュ鼻セレブだったんだ」
「うるせっ」
「仲イイねー君達」
「……」
嬉しいような嬉しくないような……。
「じゃあ、烏野のマネージャーちゃん」
音駒の主将が背をかがめて私に顔を近づけた。
「また、会え
「……はぁ」
それだけ言い残して音駒の主将はどっか行った。
「……やっぱ苦手かも」
「さっき、あんな『カッコイイ』連呼してたのに？」
「……ああいう人の裏読んできそうなタイプ、ちょっと苦手」
なんか、いろいろと読まれている気がする。たぶんあの人、わかってるんだろうな。
私の心の内、全部わかってそう。音駒の
「＿＿＿＿もうすぐ、インターハイ予選だね」
真っ赤な夕焼けの空に、切ない声は溶けるように消えてなくなった。
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昆布の神(プロフ) - 虹四葉さん» コメありです！ 烏野大好きです……。おまけ話みたいになるんですけど、浦塚さんはお勉強をよくしているので甘党という設定になっていて、それゆえに悩みがあんなエグいことになっています() (2021年9月3日 22時) (
レス) id: aca7717c5b (このIDを非表示/違反報告)
虹四葉(プロフ) - コメント遅れたけど、烏野メインは最高です昆布様。あと、浦塚さん.....ココアにキットカットは流石に甘すぎるのでとりあえずヤバイっす。 (2021年9月3日 22時) (レス) id: 550a2fdb83 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：昆布の神
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/fullmoon721/
作成日時：2021年5月4日 8時
