18.ローリングサンダー ページ21
「おれ……まだレシーブへたくそで……バレーボールで一番大事なトコなのに……だからレシーブ教えてください!! 西____……西谷先輩!!」
「____!!!」
「わー、西谷がノックアウトだ」
きっと西谷は感動のあまり声にならない叫び声をあげているだろう。
「やっぱり田中と同類だよな」
「スガさん、それどういう意味っスか……」
西谷が「お前……」とゆらりと立ち上がる。
「練習の後で……ガリガリ君奢ってやる……」
「えっ!?」
「なんつっても俺は___“先輩”だからな!!」
日向の目が一気に輝いた。本当に成長に対して怖いくらいに貪欲な子だ。
____『上手くなれるならなんでもいい。もっと上に行けるなら、その可能性が少しでも上がるならなんだってやります。できることは全部やる』
……ああ、
「でも部活に戻るワケじゃないからな! お前に教えてやるだけだからな!!」
「……とりあえず、良かったって感じ?」
「うん……ホッとした……」
菅原が心底良かったという感じで西谷と日向を見つめる。
「……それでさ、菅原」
「うん、何?」
「……私の頭を腕置きにしてるのやめてくんない?」
*
数日後___
「んローリングッサンダァァァ!!!」
西谷がレシーブしたボールが見事にボールを入れている場所にヒットした。
西谷は自分カッコイイと思っているのかもしれないが、
「……あっ、うん。ナイスレシーブー!」
「普通の回転レシーブじゃねーか、“サンダー”どこ行った!」
「何で叫んだんですか?」
「何……今の……」
「コラー、変な事叫びながら動くんじゃないよ、危ないよー!」
「影山・月島・山口、まとめて説教してやる屈め! いや座れ! 俺の目線より下に来い!!」
「教えて、ローリングサンダー教えてえええ」
「……なんか、騒がしい空間になったねえ」
「だって西谷だもん」
「潔子、毒舌……」
騒がしく明るくなった部活を遠目に見ていると、「おつかれさまーっ」と武田先生が体育館に入ってきて、集合の号令がかけられた。
「皆、今年もやるんだよね!?
「ハイ。まだまだ練習が足りないですから」
「それでね……」
武田先生が自信満々に眼鏡をクイッと上げて言った。
「GW最終日、練習試合組めました!!」
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昆布の神(プロフ) - 虹四葉さん» コメありです! 烏野大好きです……。おまけ話みたいになるんですけど、浦塚さんはお勉強をよくしているので甘党という設定になっていて、それゆえに悩みがあんなエグいことになっています() (2021年9月3日 22時) (レス) id: aca7717c5b (このIDを非表示/違反報告)
虹四葉(プロフ) - コメント遅れたけど、烏野メインは最高です昆布様。あと、浦塚さん.....ココアにキットカットは流石に甘すぎるのでとりあえずヤバイっす。 (2021年9月3日 22時) (レス) id: 550a2fdb83 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:昆布の神 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/fullmoon721/
作成日時:2021年5月4日 8時