13.変人速攻 ページ15
「交替させられた時のことはなあ、あー……うー……交替させられた時に考えろ!!」
「えっ……」
「いいから余計な心配すんじゃねえ! 頭の容量少ないくせに!! 良いかァ! バレーボールっつうのはなあ! ネットの“こっちっ側”に居る全員! もれなく“味方”なんだよ!! 下手糞上等!! 迷惑かけろ!! 足を引っ張れ!! それを補ってやるための!! “チーム”であり“センパイ”だ!!!」
田中がなかなかいい事言った……と思ったら、「ホレ『田中先輩』と呼べ!」と言い出したので“先輩”呼びされたいだけなのだと理解した。
しかし田中のおかげで日向の調子が戻り、第二セットが始まった。今回は縁下のサーブから。
青城の七番のスパイクでレシーブが乱されたが、影山がカバーできそう。
「レフト!」
「ライト!」
田中か澤村のオープンだな、と思っていたら、いきなり日向が飛び出してきた。
_____『浦塚、今日途中で抜けたから見てないだろ。アイツらの速攻』
「速攻……?」
影山が日向にボールをあげた。……が、日向の手にボールが当たることはなく床に落ちる。
「日向! 悪い、今のトス少し高かった」
影山がどれだけ横暴だったかは影山が中学生の時に少しだけ見たし、前の三対三は途中で抜けてしまったので、影山が少しづつ変わっていることに青城と一緒に私も驚いてしまった。
「へえ……すごいなあ」
「浦塚がそんな単純な語彙で感想述べるって相当だな」
隣で菅原に笑われたが、だって実際すごいし。
「一本!」
「ナイッサァー!」
青城三番のサーブ、縁下が正面レシーブで無事に受けきった。
ライトとセンター、レフトもトスを呼んでいるこの場面で影山は誰を使うのか……
____ドッ、バンッ!!
「……は?」
それは、ほんの一瞬の出来事だった。
速すぎる
「……なにあれ、速攻? 速すぎる……」
「だろ? あんなんできるの日向と影山くらいだべ」
その後も順調に点を取っていき、青城にタイムアウトをとらせ、無事に第二セットを奪取した。
「おっしゃあああ!! このまま最終セットも獲るぜええ!!」
強豪からセットを奪ったことで士気が上がっている中、影山だけがどこか難しい顔で「油断だめです」と言った。
「向こうのセッター、正セッターじゃないです」
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昆布の神(プロフ) - 虹四葉さん» コメありです! 烏野大好きです……。おまけ話みたいになるんですけど、浦塚さんはお勉強をよくしているので甘党という設定になっていて、それゆえに悩みがあんなエグいことになっています() (2021年9月3日 22時) (レス) id: aca7717c5b (このIDを非表示/違反報告)
虹四葉(プロフ) - コメント遅れたけど、烏野メインは最高です昆布様。あと、浦塚さん.....ココアにキットカットは流石に甘すぎるのでとりあえずヤバイっす。 (2021年9月3日 22時) (レス) id: 550a2fdb83 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:昆布の神 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/fullmoon721/
作成日時:2021年5月4日 8時