12.無法地帯 ページ14
「ま、待て影山! 気持ちはわかるが抑えるんだ!」
影山がキレると悟った澤村がなんとか宥めようと声かけをすると、影山は澤村の顔を見ずに
「____……まだ……何も言ってませんけど」
と低く言い放った。あの澤村が怯えている……。これは相当だ。
菅原は既に影山押さえスタンバイを始めるなど、もれなく味方であるはずのこっちっ側が大波乱。
田中と月島からも不穏な空気が漂っている……と思ったが、彼らから出たのは、
「____……ぶォハーッ!! ぅオイ後頭部大丈夫か!!!」
「ナイス後頭部!!」
「!? 煽るのもダメだっつーの!!」
「ヤメロお前らっ」
「もうやめて、日向のライフはゼロよ……」
「浦塚は真顔でそれ言うのやめて!!」
だってさ、菅原、見てみなよ。日向の顔。
『やってしまった』って感じの、もはやこの世の終わりっていう顔だよ、あれは。
ゆらり、と影山がまるで幽霊のようにひたひたと足音を立てて澤村の制止を聞かず日向に近づく。
「…………。…………。……お前さ」
「ッ…………ハイ」
「一体何にビビってそんなに緊張してんの?? 相手がデカいこと……? 初めての練習試合だから……?」
「か、影山……」
日向の汗がすごいのでさすがに止めようかと声をかけるが、影山は聞いてくれない。
すると突然影山がスパアンと自身の後頭部を叩いた。
「俺の後頭部にサーブをブチ込む以上に恐いこと、って_____……なに?」
「_____……とくにおもいあたりません」
(日向の精神状態が危うくなってる……)
「じゃあもう緊張する理由は無いよなあ!! もうやっちまったもんなあ! 一番恐いこと! ……それじゃあ……。とっとと通常運転に戻れバカヤローッ!!!」
「……アレ?」
日向に殴られるとでも思っていたらしい日向は素っ頓狂な声を出した。
「今の
「は!? なんのハナシだ」
「おいコラ日向ァ!!」
今度は田中が「……オマエ」と日向に近づいた。
無法地帯……。
「他の奴みたいに上手にやんなきゃとか思ってんのかイッチョ前に」
「……ちゃ……ちゃんとやんないと……交替……させられるから……おれ……最後まで試合……出たいから……」
「……オイ……ナメるなよ!! お前が下手糞なことなんかわかりきってることだろうが!」
「え゛っ……」
「わかってて入れてんだろ大地さんは!!」
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昆布の神(プロフ) - 虹四葉さん» コメありです! 烏野大好きです……。おまけ話みたいになるんですけど、浦塚さんはお勉強をよくしているので甘党という設定になっていて、それゆえに悩みがあんなエグいことになっています() (2021年9月3日 22時) (レス) id: aca7717c5b (このIDを非表示/違反報告)
虹四葉(プロフ) - コメント遅れたけど、烏野メインは最高です昆布様。あと、浦塚さん.....ココアにキットカットは流石に甘すぎるのでとりあえずヤバイっす。 (2021年9月3日 22時) (レス) id: 550a2fdb83 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:昆布の神 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/fullmoon721/
作成日時:2021年5月4日 8時