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──────……てる


──────……る……みな……


無意識空間の中で誰かの声が聞こえる。
この声は……


「聞いてる!?湊!」


ハッと目を開けると心配そうに俺の顔を覗き込むAが居た。


「A……」


「ずっとボーッとしてたよ?大丈夫?」


「熱でもある?」と聞くAに首を振って「大丈夫」と伝える。

事故にあった筈のAが目の前にいて、すぐに抱きしめたい気分だが、生憎そんな時間は無い。

今、居るのは七階まであるビルの下。
昨日は一階の喫茶店で話をしていたのだ。


このまま別れてしまえば、五分後にAは死の運命を辿ることになる。

それだけは避けなければいけない。


五分経つまで、ここに留めておけば何とか助かる……か?
いや、もっと安全な場所に置いておいた方が安心できる。
安全な場所……店の中、か?

もう一度、店の中に戻る。そうするには……


「湊?どうしたの?」


まじまじと俺の顔を見てくるAを見て、気付いた。
今日、Aが付けていた、昔に俺がプレゼントしたブローチをAが付けていないことに。

確か……


『汚したくないから』


と言って机の上に置きっぱなしだった。

よし、これなら……!!


「A、今日付けてたブローチは?」


Aはキョトンとして、自分のカーディガンを見た。


「えっ無い!!あれ!?」


うまくいった……!!


「店の中に置きっぱなしなんじゃないか?」


「あ、そうだね!取りに行ってくる!」


「俺も行くよ」


これである程度の時間を潰せるがブローチの場所はわかっている。
そして喫茶店は一階。

潰せる時間は二分くらいだろう。

さて、どうしようか……。

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設定タグ:オリジナル , パラレルワールド , 事故   
作品ジャンル:恋愛, オリジナル作品
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昆布の神(プロフ) - 日向鬼@青いブレスレット運動参加さん» 一コメありがとうございます!パラレルワールドとかの都市伝説的なやつが私大好きなんですww ファンなんて本当に嬉しいです!! (2020年5月24日 21時) (レス) id: aca7717c5b (このIDを非表示/違反報告)
日向鬼@青いブレスレット運動参加(プロフ) - え!?やった!僕コメ一番! (2020年5月24日 21時) (レス) id: 01514d0bec (このIDを非表示/違反報告)
日向鬼@青いブレスレット運動参加(プロフ) - パラレルワールドの世界線もいいですねえ…ほんと好きだわ。昆布さんの作品。なんか最後には全部繋がるし、その場の空気も伝わって切るし、神作者さんだよ!僕はもう昆布さんファンになった! (2020年5月24日 21時) (レス) id: 01514d0bec (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:昆布の神 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/fullmoon721/  
作成日時:2020年5月24日 8時

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