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「ジムリーダーの……? どうしてここに?」



ペパーも、さすがにジムリーダーのことは知っているらしい。ジムリーダーの中でも最強と言われるのだから、知名度の高さもあるだろうけど。



「上司に少し呼び出されて……。……それより、あんた達 学生服着てない女の子見なかった? 蝶の耳飾り付けてるんだけど」

「もしかして、Aさんのことですか?」

「あ、知ってるの。あんた達みたいな年齢の子は世代じゃなさそうだけど」

「世代?」



元からパルデアに住んでいるペパーは何か知っているのだろうかと彼を見たが、ペパーは眉間に皺を寄せて、どこか険しい表情をしていた。



「A……。昔はそこそこ有名だった。他の地方にも存在してるポケモンの生態に精通してるような、所謂(いわゆる)ポケモン博士がパルデアには多くないから。パルデアを代表する優秀なポケモン博士になるんじゃないかって期待されてたからね」

「フトゥー博士は?」

「確かにあの人も有名で優秀な博士だけど、あの人はポケモン自体とかじゃなくて、テラスタルという現象を地上に持ってきた第一人者みたいな人であって、他の地方のポケモン博士とは若干違うんだよね」



テラスタルを地上に持ってきた、という発言に引っかかったが、それを質問する間もなく、グルーシャさんが「でも」と再び口を開く。



「ポケモン博士がどういうのかっていうのは大体予想つくだろ。特にハルト……あんたはガラル出身みたいだし。ガラルといえば、マグノリア博士とソニア博士がいるところ」

「なんで知ってんすか……」



この人といいAさんといい、パルデアにはどうしてこうも情報通な人が多いんだ。それにしてもAさんは、顔を見るや否や、早口で学籍番号を言ってきたので怖さ倍増だったが。



「Aがあんたのこと気にしてたから。今日、アカデミーに行くって言ったらついてきたのも、今思えばあんたに会いたかったからだろうね。昔から、やりたいことは必ず実行する子だから」

「……え」



____違う。おかしい。なぜ今まで気づかなかったのだろう。

今日、初めてぼくはAさんと出会った。だから、今まで会ったことのない彼女が、自分という存在を認知していること自体がおかしいのだ。ミライドンを連れていることを含め、ぼくのことを悉知(しっち)していた。

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作者名:昆布の神 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/fullmoon721/  
作成日時:2023年2月25日 23時

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