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「ふー。大分見終わったねー!」
テーブルシティの隅っこで、グイッと伸びをした。
「いい時間だし、そろそろ学校行こうか。ラルトス、案内頼める?」
「ラル」
*
そして、前回の冒頭に至る。
階段を上っていたら、見るからにやばい人達に囲まれている女の子を見つけて、思わず声をかけてしまったのだ。
「あたしら泣く子も笑うスター団! あなたは知ってるよね?」
「え、ええと……」
エール団は聞いたことあるけど、スター団は初耳だ。
というか、『泣く子も笑う』って、それを言うなら泣く子も黙る、ではないのか……。
「知らないかな……」
「もう……何なのよ。せっかくスター団入ったのに、こんな扱い底辺じゃん」
「ナメられたままじゃ団の面目丸つぶれ! 勝負するっきゃなくない?」
「え……」
「あんたは最初のメガネを見張ってて! ナマイキな新顔ちゃんはあたしがお星様にさせちゃうわ!」
スター団の子がポケモンを繰り出した。……見たことない。ガラルにはいなかったポケモンだ。
「いやまだ死にたくないから! ……クワッス、お願い!」
クワッスを繰り出して応戦する。
その隙に、スマホロトムの図鑑機能で相手のポケモンを調べた。
「ロトム! あのポケモンなに?」
「シルシュルー。毒・ノーマルタイプ。 縄張りに敵が近づかないよう、刺激臭がする毒液で巣のまわりに図形を描くロト!」
毒タイプかーいと内心ツッこむ。
だったらラルトスを出せば良かった。……いや、でもそしたら毒タイプの技でフェアリータイプの弱点も突かれちゃうし……。むむ、ポケモンって難しい。
そうこうしているうちに、何とかスター団との勝負に勝った。
「良かった。ありがとうクワッス。いいステップ!」
「くわっす!」
しゃがみこんで、クワッスの頭を撫でた。
「なんなの、この新顔ちゃん。マジ強いんだけど……」
「後輩がやられた……!?」
スター団。制服を着ているということは、一応アカデミーの生徒のはず。不良集団的な集まりなのかもしれない。
「こうなったら、先輩である俺が相手をするしかないのか……!?」
「___ちょっとちょっと! 何やってんのー!」
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作者名:昆布の神 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/fullmoon721/
作成日時:2023年2月25日 23時