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「こんなところで寝ちゃダメだろ」

「ほげわ」



しゃがんでホゲータの頬を触ると、ホゲータはハッとしたように目を開いた。その顔の通りの呑気なポケモンなのかもしれない。

ホゲータは「ほげげっ」と鳴き声をあげながら、ぼくの足元までよたよたと歩いてきた。
……どうして自分にポケモンが近寄るときは、いつも足にばかり集まるのだろう。

いや、でも、妹のアオイも、ポケモンには変なところで興味を持たれたりしている。あの髪の……。



「よし、行くぞ」

「ほげーに!」








「さすがです。やはり、パルデア地方で最強のジムリーダーといわれるだけあります」

「どうも」



そう答えながら、チルタリスをモンスターボールに戻した。

ポケモンリーグのトップチャンピオン、オモダカさんによるジムの視察は定期的に行われる。この地方のトレーナーを導ける存在であるか、ジムリーダーに相応しい実力を保っているかを試される。

力不足と判断されれば、ジムリーダーから降ろされる。形式的なものとは謳っているが、それがどれほど自分にとって恐ろしいことか、この人はきっとわからないだろう。



「そういえば、グルーシャさん。もしかすると貴方には関係の無いことかもしれませんが……。一応お伝えしておきますね」

「? はい」

「近頃……ロースト砂漠のほうで、奇妙なポケモンが出現するようになったそうです」

「奇妙なポケモン?」



ロースト砂漠といえば、ハイダイがジムリーダーを務めるカラフシティの目の前にある砂漠だ。

……Aが大切にしていたメラルバも、ロースト砂漠に生息している。



「お恥ずかしながら、私にもよくわからないのですが……。目撃者によると、まるで生物性の感じられない見た目をしていたそうです。例えるなら、ロボットのように無機質なポケモン」



見た目に生物性の無いポケモンというのは、少なからず普通に存在する。ジバコイルやブロロロームなどがいい例だ。

また、ロボットのような見た目のポケモンならば、他地方にはゴルーグというポケモンもいると聞く。

……そういった今までの既存ポケモンとは、わけが違うのだろうか。



「形状的にはドンファンによく似ていたそうです。……ロースト砂漠をわざわざ行き来するジムリーダーなんてハイダイさんくらいな気もしますが、何かあるといけないので」



Aが聞いたら飛んで行きそうな内容だ___。

そう思った自分に、グルーシャは嫌気が差したのを自覚した。

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作者名:昆布の神 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/fullmoon721/  
作成日時:2023年2月25日 23時

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