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深澤 side
間に合ってくれ、そう思いながら教室に近付くと、
聞き慣れた声が聞こえた。
自分の息を整えつつ俺は教室の外の廊下からその声に耳を澄ます。
A「だから、寂しいと感じたことがありません。いつも遊んでくれる人、
私より子供っぽい人、
Excel全然出来ない人、
お菓子をくれる人、
ちょっかいかけてくる人、
勉強を教えてくれる人、
私をお姫様扱いしてくれる人、
お出かけしてくれる人、
そして、お父さんのような人。」
A「いつも忙しいけど、9人は私にとって本物の家族です。」
A「優しくて、治療になるとちょっと怖くて、お友達のような感覚で、私は皆に大切にされているなって、小さな頃から感じていました。」
A「だから、私も、誰かにとってそう思ってもらえる人になりたいです。」
A「看護師になりたい、なんて恥ずかしくて直接言えたことはないけど、私は皆みたいな看護師になって色んな人を助けたいです。」
A「そして、いつか看護師になって、みんなに恩返しが出来たらなって思います。」
言葉が止まり、ぱちぱちと大きな拍手が鳴り響く。
「…っ、」
Aの教室の壁に寄りかかって泣いている俺、傍から見たらめちゃくちゃ変なやつだけどそんなことを気にする余裕なんてない。
「っだよ、」
なんだよそれ、
俺たちめちゃくちゃ幸せじゃん。
Aと向き合ってきた十数年間。
楽しい時もあれば、辛い時もあった。
どんな事があろうとAが幸せならそれでいい。
何度も心に刻んできたその思いが、
彼女にしっかり届いていたんだ。
長かったけど、それでも、そんなことより、
「家族、」
彼女の口からちゃんと聞いたのは初めてだった。
お父さんみたいとか、家族みたいだよね！なんて言ってるのを聞いてはその「みたい」に、
少し落ち込んでいたのに。
彼女は本物の家族だと、言ってくれた。
これ以上ない幸せを感じながら、
俺はAに会うことなく学校を後にした。
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あやめ - リクエストに答えてくださりありがとうございました！もう山下先生がかっこ良すぎて頭抱えてます笑いつかどこかでしょっぴーと山下先生が再会できますように。と心の中で願っています！ (2020年6月18日 18時) (
レス) id: 0480311a05 (このIDを非表示/違反報告)
ひーさん。 - いつもサブタイトルのセンスの良さに感激してます。すごく切ないのにあたたかくて、小説だと思えないほど感情が動かされます。折り紙の話はすごく勉強になりました。最近fulfillが更新されていなかったので見つけた瞬間大歓喜でした笑。次の更新も待ってます！ (2020年6月12日 10時) (レス) id: c79ef550b7 (このIDを非表示/違反報告)
のの - fulfill更新されてて嬉しいです！また、hopeがひと段落ついたら大きくなった主人公ちゃんも見たいです！ (2020年6月12日 1時) (レス) id: 4dd166471f (このIDを非表示/違反報告)
かずよ(プロフ) - さっくんの折り紙はそんな理由からだったのですね。hopeからの繋がり、ちょっと切なく、でもさっくんのような温かさを感じるお話しですね。 (2020年6月12日 0時) (レス) id: 2374a82ec8 (このIDを非表示/違反報告)
ひーちゃん - hopeのお話大好きで毎日更新楽しみにしていました。こちらの番外編を見つけた時はやったー！！って喜んじゃいました(笑)マルさんが作る小説と出会えてよかったです！ (2020年6月7日 22時) (レス) id: 3dd81906cc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：マル_
| 作成日時：2020年5月15日 8時
