チャンスも突然 ページ5
帰宅して手洗い嗽と風呂を済ませ、Aちゃんが作っててくれた夕飯のオムライスを食べて…照明を落としソファーに座ってお酒を呑みながらゲームの続きをする彼女を後ろから抱え混むように座りながら楽屋で祐に聞いた事を思い返す
「まだって…来年?」
畠中「いや、今夜。元々、旧暦で新月から数えて15日目の満月を十五夜って言って、昨日の中秋の名月って言うのは1番月が綺麗に見えるって言う旧暦の8月15日の十五夜なんだけど、16日目の月を十六夜(いざよい)って言うの。昨日の今日だからまだ綺麗だし、今年は十五夜が満月だったから満月が少し欠けてるけど…すげぇ綺麗だよ」
「十六夜の月…」
窓の外を見ると月明かりは微かに有るけど雲が掛かっていて、ため息が零れそうになる。この雲を見たのか祐から「十五夜の約1ヶ月後、旧暦9月18日の十三夜も「後の名月」って言われて綺麗だし、十三夜は晴れる事が多くて「十三夜に曇りなし」って言われてるから確率は上がる。今年の十三夜は来月18日」ってLINEが来てた
『うげ、じかん、せ、いげん…』
彼女の声が聞こえ視線を画面に戻すと珍しく彼女が苦戦していた
「うわ、難しそ」
『くそがっ…』
悪態ついた彼女が舌打ちをしてから上手く建て直し何とかキャラを死なす事無くミッションをクリアした
『…ざまぁ』
「wwww」
『ん?なぁ、に?』
「いや…ゲームしてる時のAちゃんって案外口が悪いよねwwww」
『あ…ご、めん』
「面白いからいいけどww」
彼女はゲームする時間を決めてるから、家以外でゲームすることはないし、誰かの前でやることも無い。彼女がゲームする時悪態つくのは…多分俺しか知らない
『…ふぅ』
チャプター5個程進めた彼女はコントローラー置いて伸びをする。まだまだ先は長いらしくまだ終わりは見えない
「おつかれ」
『あの、せかいは…にん、げん、も…あん、ど、ろいども…かん、たんに…しんじ、ないほうが…いい、って…わか、った』
「ねー…完全に助けてくれる雰囲気だと思ったのに」
『とりあ、えず…あの、いえ…いけ、って…いった、あいつ…ゆるさん』
「wwww」
ホーム画面に戻してコントローラーが手渡される。ゲームは時間で交代制。ルールじゃないけど、2人ともゲーム好きだから、違うゲームをやってる時は暗黙のうちに交代制になった
『い、っぷく…して、くる』
「はーい…待って!!」
ベランダに行く彼女を目で追って…慌てて後を追う。雲が晴れた、月が出てる!!閃きもチャンスも突然やってくる
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作者名:福招猫 | 作成日時:2021年9月20日 23時