20.冷たい手 ページ21
*一松*
「震えてるじゃないか」
ぎゅっ、もみもみ…
カラ松が俺の手を握る。
「大丈夫だ」
「〜〜〜〜〜ッッ」
「冷たいな」
「はぁ〜〜〜〜〜ッ、」
「やッ、やめ…、やめろって
言ってんだろッッッ!!」
バッ
勢いよく手を振り払う。
「余計なことすんな…気持ち
悪いんだよ……!」
「…一松、あのな、
お前、いじめられているだろう」
「……は?」
いや…………
え、ん……、
はぁっ!?
それどこ情報?
いじめ?
何言ってんのコイツ?
何勘違いしてんのコイツ?
何?
結局自分のために言ってんの、
ソレ???
「前からずっとそうなんじゃ
ないかって思ってたんだ!
だがお前は優しさ故に辛い心を
隠してしまうだろう!?
しかしこれからはいくらでも俺を
頼ってくれていい!
弟の為に一肌脱ぐ兄貴!!
それは寧ろ義務!使命なんだ!」
「……心配なんだ
春からもう8カ月。一松を
そうさせてしまったのは全部俺が
悪いんだと思って。
考えていた、兄としてできることが
あるんじゃないかって」
はっ…………『兄』、ね…
「すまない!一松!こんなにも強く
お前のハートは助けを叫んでいた
というのに!」
どうせそれも、偽善なんだろう?
「やっと気づけたぜお前の
シークレット・メロディー!!」
何に気づけたっていうんだよ
根暗異常者でキンシンソーカンの
クソ野郎の俺に!!
「大丈夫だ!明日からは俺が
ずっとついている。何も心配するな!
だから安心して一緒にクールな
スクールライフを……」
「ふっざけんなッッッ!!!!!」
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