第152話：唐突の甘味処 ページ3
『…上弦の参と遭遇したんです』
ポツリ、と零れ落ちた言葉はそのまま静かな空間に溶けて、消えていく。
鋼鐵塚さんは相槌を打つわけでも、先程のように茶化すわけでもなく、ただじっと黙って私の言葉に耳を傾けてくれていた。
『その時に、炎柱の…煉獄さんがそいつと戦って、私、その時手助けも何も出来なくって、
…結局、彼が致命傷を負うまで見てただけで』
｢…｣
『…ｯあの時何か行動してたら、何か違ったんじゃないかって…思うと、…凄く悔しくて…ｯ！』
喋っている内に、目頭が熱くなってきた。
ぐっと堪えようにも、溜まりに溜まった涙はダムのない下瞼からぼたぼたと零れ落ちていってしまう。
もう涙が枯れるほど泣いたはずなのに。
いつまでも、いつまでもそれは限りなく頬を流れていくのだ。
彼が、最後にあんな事を言うから。
優しく涙を拭うから。余計に辛くなってしまった。
『ｯもっと喋りたかった…！仲良くなりたかった…！炭治郎も煉獄さんの弟も…他の人もきっと悲しんでる…ｯあの時、私が、((｢おい｣
さっきまで黙って話を聞いてくれていたのに…、私の言葉を遮るようにして突然、鋼鐵塚さんはスクｯと立ち上がった。
涙をゴシゴシと拭っていれば、頭からバサｯと上着を被せられる。そしてそのままガｯと腕を掴まれ、気付けば、あっという間に外に連れ出されてしまった。
何も分からぬまま腕を引かれ、パニックに陥るのは当たり前の事だと思う。だって、え、何？突然。
こわ、怖いんだけど、え、誘拐？(震え声)
『は、鋼鐵塚さ、…ど、どこに』
｢決まってるだろう。甘味処だ｣
『え』
いやなんで今？？？
＿＿＿
＿
｢特別に奢ってやる。さあ食え｣
『…私アイス食べた((｢うるせえな黙って食え！｣んぐふぅ…ｯ！！』
彼に(無理矢理)連れてこられたのは町中にある1軒の甘味処だった。
物語で見るような外に置かれた赤い長椅子に座り、皿に積まれたみたらし団子の山に不満を漏らせば、問答無用で口に突っ込まれる。
あまりの勢いに思わず変な声が出てしまった。くそ。
いや死ぬ。死ぬから。三途の川渡っちゃうから！死因がみたらし団子とか恥ずかしいわ！！！
…まあ美味しいから不服はないけれども！
口に突っ込まれた団子をそのまま咀嚼しながら、チラと鋼鐵塚さんの方を見る。
彼はお面を少しずらし、みたらし団子を口に入れている所だった。
待って口元普通にイケメンなんですけど何？
もしやお面取ったらイケメンなんじゃないかこの人。
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chiaki0708(プロフ) - 煉獄さぁぁぁぁぁぁーーーん！！！！希望が！！！！！希望の光が見えてきています！！！！！！ (2021年11月8日 3時) (
レス) @page50 id: 26a665cc7a (このIDを非表示/違反報告)
あまいろ(プロフ) - あおいさん» あれ！？カマドウマって居ない地域もあるんですね！？ゴキブリと一緒ですかね！おばあちゃん家によく出没して枕元にいる事がよくあったので毎回悲鳴上げてました。まじきっっっしょいっすよあれ！！実物なんかてらてらしてるんですよ！！アッ要らない説明申し訳ない！！ (2020年12月11日 20時) (レス) id: a7b2172907 (このIDを非表示/違反報告)
あまいろ(プロフ) - むーむさん» むーむさん読んでくださってありがとうございます！！！最初はこんな展開にするつもりじゃなかったんですけど我慢なりませんでした！！！！夏目ちゃんが皆様に愛されてて本当に嬉しい限りでございます！！！これからもこの小説をよろしくお願いします！！！ (2020年12月11日 20時) (レス) id: a7b2172907 (このIDを非表示/違反報告)
あおい(プロフ) - カマドウマって虫なんですね！調べて画像みてびっくり！きしょい！笑 (2020年12月11日 5時) (レス) id: 777a49a0dd (このIDを非表示/違反報告)
むーむ - 良い作品すぎてここまで一気に読みました！まさかの展開に涙が止まりません・・・！夏目ちゃん大好きです！！ (2020年11月21日 7時) (レス) id: 16dc7f8d63 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あまいろ
| 作成日時：2019年10月15日 0時
