季節の呼吸を持つ少女【鬼滅の刃】第壱話

第拾捌話 ページ20

手鬼は炭治郎の姿が一瞬、鱗滝に見えた


手鬼「！！(鱗滝ッ…)」


ザシュッ!

宙を舞う頭は地面に落ちた
コロコロと転がり、ある場所で止まった
手鬼からは自分の残った体が見えた


手鬼(「クソックソックソォ〜！
体が崩れて消えていくッ…。止められない…ッ」)


手鬼を倒した炭治郎は少し歩き、そして刃を鞘(さや)に戻した


手鬼(「クッソォ…最後に見るのが鬼狩りの顔だなんて…」)


炭治郎は振り返った
そしてその表情をみた手鬼は眼を見開いた


炭治郎は悲しい顔をしていた

手鬼(「どうしてこんな事に…ッ…」)

『…(「寂しい」「悲しい」…)そっか、寂しかったのか』

そう云い、手鬼の頭の方へと向かい、抱きしめる
その時、炭治郎は消えていく体の中の1本の手を握った


『お疲れ様ですッ、もう…苦しまなくても善いのですよッ…？』


声が少しと震える貴方

手鬼からはポタポタと涙が流れた
そのは泪(なみだ)は貴方の服に滲んだ…


(『神様…どうか、この人が今度生まれてくるときは…

鬼なんて、なりません様にッ…』)


その考えは炭治郎も同じだった
鬼は手から消えていった…
何1つ…、残らずに消えていった…。


『…』


炭治郎の方を見ると空を見ていた
そして左のおでこからは血が出ていた

炭治郎の方へと歩く貴方
そして服の中に入れていた手拭いを出して拭いた


炭治郎「ッ！？ぇ、ハルミさん！？」


驚く炭治郎に見向きもせず、ただ拭いてあげる貴方


『これで少しは善くなるかと…駄目だよ。きちんと拭かないと？
これ、持っててください』
そう云い、炭治郎の手に渡した布を置く


炭治郎「ぇ、でも…！」
『漆日後にまた会いましょ？炭治郎君…。その時に返してね。


私が居たら…』


貴方は微笑んだ

そして『またね』と手を振り、去っていった
炭治郎は「ぁ、待って！」と云ったがそれを無視し、去っていった


…


炭治郎と別れて数十分は経った
森に中で、ただ鬼と闘う貴方


鬼「うりゃぁあ！」
『ッ！』


少し判断が遅くなり掌(てのひら)に傷だ出来る

鬼「やっぱり稀血だぁ！喰わせろぉおお！」
『お断りッ!!』


シュッ


貴方は鬼の頸を斬った
刃を鞘に戻し、鬼の方へ近づく


『貴方は…どれ位の人間を食べたのです？』


そう云ったが、鬼はもう消えてしまった…


『…まだ壱日目。私は生き延びるぞッ、絶対に』

…

＿＿＿
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