スプラウト (ページ9)

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朝、昨日早く寝たからか早く起きたからシャワーを浴びて普段あんまりしないアイロンも丁寧にして少しでもかっこよく見えるように準備した。

「竜生早くご飯食べて」

お母さん今日夜忙しいし夜ご飯は〜、なんて話してる母親の声を聞き流しながらボーッとニュースを見て過ごした。

学校に着くともう永瀬は来ていて

おはよ〜と眠そうな顔でこっちを見ていた。

他愛も無い話をしていたらうっちーと湧くんも来て2日目とは思えないくらい盛り上がっていた。

1時間目は昨日言ってた自己紹介からするぞ〜って高校生になってもそんな子供みたいなことするんだって面白さ反面、永瀬のこと知れるじゃんって嬉しさで胸が膨らんだ。

「安嶋からだな」

「おでは安嶋秀生です」

ちょっと滑舌が悪い人から始まり、

「内村颯太でぇ〜す

誕生日は3月7日で趣味は魚を育てることとコケも好きです」

うっちーはやっぱり変わってるな。
コケが趣味だなんておじいちゃんかそういう研究してる人くらいじゃないの？

そんなうっちーみたいな自己紹介の人、他にも個性が溢れてる人が多い中、永瀬の番が回ってきた。

「永瀬Aです

誕生日は8月28日です。趣味は特にないです」

「永瀬に質問ある人〜」

他の人への質問は仲良くなった同性が2、3人くらいだったのが永瀬へは男子が沢山手を挙げていて名前も知らないやつが

「経験人数は何人ですか〜？」

なんて馬鹿馬鹿しい質問をしていた。

「そういうのやめろよ」

思わず言ってしまったが永瀬は顔色ひとつ変えることなく、

「あ〜。意外と少ないって言われるんですけど3人です」

そこからも馬鹿な男たちが

最近相手した人は？とかセフレは何人いるんだとか好きな体位まで聞いてるやつまで居た。

永瀬は困った顔もせずに淡々と、誰も知りたくないやろなんて言いながらケロッとしていた。

「ちょ、そういうの永瀬も答えなくていいからな

男子の気持ちも分からなくもないが個人的に聞きたいなら聞け」

深澤先生が止めて強制的に永瀬の番は終わった。

「なにあれ」

「もう慣れてるよ。この見た目だからビッチに思われるんだよね〜

怒ってくれるなんて優しいやん」

「ああいうの俺好きじゃない」

「ありがとう」