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罪いつつ ページ7

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中々帰ろうとしない五条に私はイラつくが、帰れ帰れと言う私に五条もイラついているようだ。




「良いから早く風呂行けって」

『私のお風呂3時間だから』



「……ふやけねぇ?」




違うこんなやり取りしたいわけじゃない。私3時間も入らないし。なんなのコイツはよ帰れ。


その意味を込めて五条を睨めば舌打ちで返された。まって(認めたくないが)顔が整ってる分迫力凄い。




「なんでそんなに帰したいわけ?」

『邪魔だから』




いや、嫌いだから?


どっちでもいいか。



意味の分からない質問をして、答えを聞いた彼は私を睨む。

言っとくけど、最初に敵意向けたのはそっちだからな。睨んだってしかたない。

それに、嫌いな奴の家に居座りたがるのはどうかと思う。五条なりの嫌がらせだろうか。




「俺だってオマエが嫌いだ」

『あっそ』




私に対抗するように「嫌いだ」と言う五条に興味無さげに返すと、空色の瞳が歪む。







綺麗なものは好きだ。


水の流れる瞬間も、血の吹き出る瞬間も。




だから初めて会った時、青空を閉じ込めたその瞳が、私の瞳と合って光を灯したあの瞬間。


とても綺麗だと思った。







…なのに、貴方と言葉を交わした後、貴方を憎いと思った後から、


その色が濁って見えてしまうのだ。




本当は、まだ、綺麗だと思っていたかった。




もし五条が私を嫌っていなかったら、
初対面であんなこと言わなかったら、
まだ私の目には綺麗に映っていただろうか。





………………無理だな。想像も出来ない。


私と五条が嫌い合うのは運命だったりして。……バカバカしいか。




「…………帰る」




五条は着物を翻して襖を開けた。



はぁ、やっとか。


座ったままの私を横目で見て、本当に小さく二度目の舌打ちをしてから彼は襖を閉める。


いちいち舌打ちしないと気が済まないのか。行儀の悪い。





五条の足音が聞こえなくなったのを確認してから、くん、と自分の腕を嗅いでみた。
それらしい匂いはしないけどと思いながら使用人を呼ぶ。



一応……一応だ。別に言われたからじゃない。




『お湯を沸かしてほしいの』

「お湯ですか…?」

『うん』




アイツの言う通りなるのは、本当に嫌だけど。




『お風呂入る』




本当に匂いがあったら嫌なだけだから。

罪むっつ→←罪よっつ



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藤宮(プロフ) - 暁郗さん» 母 は 強 し 。……そう、母は強し……母は強し……コメント……ありがとうごぜェます……。 (2021年2月23日 20時) (レス) id: cdb1df32dd (このIDを非表示/違反報告)
暁郗 - 母 は 強 し 。 (2021年2月23日 13時) (レス) id: 14cb33816d (このIDを非表示/違反報告)
藤宮(プロフ) - かわさん» えー?!同じ苗字ですか?!めっちゃミラクルですね!何だか私も嬉しいです!! (2020年12月31日 21時) (レス) id: c97ecbdc86 (このIDを非表示/違反報告)
かわ - まさかの同性の人が出てきて嬉しかったです!現実でも同じ苗字の人と親戚以外であったことがないので! (2020年12月31日 17時) (レス) id: e92a741f95 (このIDを非表示/違反報告)
藤宮(プロフ) - mimiさん» 悪いなんて!むしろ丁寧じゃないですか!凄く褒めて下さるのでめっちゃ嬉しいです。どうぞお楽しみ下さい!!! (2020年12月5日 19時) (レス) id: c231945d30 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:藤宮 | 作成日時:2020年4月22日 0時

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