罪はたち あまり ひとつ ページ23
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「オマエ(色々)と大丈夫か」
『違う。ふかこう…いや、そうじゃなくて、外に…』
アイツらしき人物が…、と言葉を続けて外を見る。
もう居なくなってしまったかと思ったが、五条らしき人は立ち止まってそこに居た。
………アレ、絶対に五条だ。
まずいな、どうしよう。二人が鉢合わせるのはまずい。
毎度毎度ちょっかいを出してくる五条が今回は何もしないとは限らないし、それだと一緒に居る甚爾さんに迷惑がかかってしまう…。
見つからずにやり過ごすにはどうすればいいだろう。
『甚爾さ、……え?』
……………………居ない。
甚爾さんが、居ない。
周りを見渡してもどこにも居なくなっている。
もしかして…逃げた?私を置いて?自分だけ?
『…あ、アイツ…』
この薄情者!!
ちょっとでも気にかけた私が馬鹿だった!!
そう心で叫びながらもう一度五条のいる方を見れば、じっとこちらを見ており、私は勢い良く顔を背ける。
…驚いて情けない悲鳴を上げるところだった。
振り返ったら見つめられてるって怖いんだけど。
『…はぁ……』
詰んだ……。
バッチリ目は合ったし、五条の六眼を欺けるわけがない。もうバレた。
『……どうしよう、』
「なにが?」
『ッう"、』
項垂れたところに現れた五条。
叫ばなかった私を褒めたい。いや褒めて。
口を手で抑えながら振り返れば五条は偉そうな顔でこちらを見ている。
そのまま片眉を上げて何か考える素振りをした後、私の前の椅子…甚爾さんの座っていた場所に腰掛けた。
「オマエ一人だったか?」
『…一人だった』
「…………本当に?」
うっ、鋭い。
でも私に聞くってことは確信がないってことで、甚爾さんを見たわけではないはず。
裏切られた手前、甚爾さんが居たと言ってやりたいが………
仕方ない。黙っていよう。
『本当に一人だった』
「ふーん、」
五条はあんまり信じていなさそうな顔で返す。
「オマエ、一人でこういう場所来るんだ」
『さぁ?』
「………」
ごめん甚爾さん。やっちゃった。
黙っていようとか言ったそばから「さぁ?」って言っちゃった。
だって、五条に答える必要ないと思って…。
「へぇ?」
それを聞いた五条は面白そうに笑う。
(よーし、逃げよう)
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藤宮(プロフ) - 暁郗さん» 母 は 強 し 。……そう、母は強し……母は強し……コメント……ありがとうごぜェます……。 (2021年2月23日 20時) (レス) id: cdb1df32dd (このIDを非表示/違反報告)
暁郗 - 母 は 強 し 。 (2021年2月23日 13時) (レス) id: 14cb33816d (このIDを非表示/違反報告)
藤宮(プロフ) - かわさん» えー?!同じ苗字ですか?!めっちゃミラクルですね!何だか私も嬉しいです!! (2020年12月31日 21時) (レス) id: c97ecbdc86 (このIDを非表示/違反報告)
かわ - まさかの同性の人が出てきて嬉しかったです!現実でも同じ苗字の人と親戚以外であったことがないので! (2020年12月31日 17時) (レス) id: e92a741f95 (このIDを非表示/違反報告)
藤宮(プロフ) - mimiさん» 悪いなんて!むしろ丁寧じゃないですか!凄く褒めて下さるのでめっちゃ嬉しいです。どうぞお楽しみ下さい!!! (2020年12月5日 19時) (レス) id: c231945d30 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:藤宮 | 作成日時:2020年4月22日 0時