罪とお ページ12
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何を勘違いしていたのか教えて欲しいが、五条はずっとそっぽ向いている。
いっそのこと『教えてよ、いじわる♡』とでも言ってみるか?五条なら「キッショ」って言う気がする。
『で、何しに来たの?』
「迎え」
『…………つまり?』
「家まで送ってやる」
コイツ屋敷まで来る気かよ。必要無くない?
これも五条なりの嫌がらせだろうか。
私と一緒に居るのは五条だって嫌だろうに、嫌がらせの為にそこまでするとは中々の覚悟だ。
めっっちゃ使い所間違ってると思う。
今すぐ自分の家までその覚悟と共に引き返せ。
『まだ間に合うって』
「何がだよ」
まぁ、五条が諦めて帰るとは思えない。
ここは最短距離+最速早歩きで帰るとしよう。
ついてこれるならくればいい!!
『(___と、思ってみたものの)』
五条は普通について来ている。
速い速いと文句は言っているが普通について来てる。ウザ。意味不。
『(____あぁ、腹が立つな)』
自業自得な所もあるが、五条のせいで私の生活は乱されている。
それは、出会ったときからずっと。
速いと言う五条の声をかき消すように歩く速度を上げた。
最近は呪詛師を殺すのに五条への怒りをぶつけたりもしてしまう。昔はそんなじゃなかった。
もっと感謝していたのに。感謝していたいのに。
私の心の決まりまで勝手に乱さないで欲しい。
五条に会う時間が減ったといっても彼が私を罵倒することに変わりはなかった。
普通に話したりもするけど、その言葉にどんな気持ちを隠しているかも分からない。
どろどろ、と今まで感情が溢れ出る感覚がした。
もしかしたら、今日迎えに来たのは、その嫌がらせの真意は、「嫌いな私を心配する程に私は弱い」と伝えたかったのかもしれない。
五条はよく私を弱いと言うから。
自意識過剰だろうか?思い込みだろうか?
それでも、私にそう思わせるのは、彼が今まで私に送った言葉のせいだろう!!
「______っおい!」
大きな声で呼ばれて思考が現実に戻る。
私の手首を掴む五条。目の前には歩道と通り過ぎる車。
「ちゃんと前見ろ……おま、速……」
息を切らした五条の頬を汗が伝う。いつの間にか、私の息も切れていた。
……今まで、諦めずについて来てくれたんだ。
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藤宮(プロフ) - 暁郗さん» 母 は 強 し 。……そう、母は強し……母は強し……コメント……ありがとうごぜェます……。 (2021年2月23日 20時) (レス) id: cdb1df32dd (このIDを非表示/違反報告)
暁郗 - 母 は 強 し 。 (2021年2月23日 13時) (レス) id: 14cb33816d (このIDを非表示/違反報告)
藤宮(プロフ) - かわさん» えー?!同じ苗字ですか?!めっちゃミラクルですね!何だか私も嬉しいです!! (2020年12月31日 21時) (レス) id: c97ecbdc86 (このIDを非表示/違反報告)
かわ - まさかの同性の人が出てきて嬉しかったです!現実でも同じ苗字の人と親戚以外であったことがないので! (2020年12月31日 17時) (レス) id: e92a741f95 (このIDを非表示/違反報告)
藤宮(プロフ) - mimiさん» 悪いなんて!むしろ丁寧じゃないですか!凄く褒めて下さるのでめっちゃ嬉しいです。どうぞお楽しみ下さい!!! (2020年12月5日 19時) (レス) id: c231945d30 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:藤宮 | 作成日時:2020年4月22日 0時