４３ ページ43
俺は朝、宏光を抱きしめたまま目を覚ました。
体は熱くなくなっていて、顔色も良く見えた。穏やかな表情で気持ちよさそうに眠っていた。
起こさないようにそっとベッドから出て、宏光でも食べやすそうな朝ごはんを作る。
K「太輔…？」
もうすぐで完成という時、宏光が起きて来た。
「おはよう。ご飯食べれる？」
そう言うと、少し眠そうな宏光がふにゃっと笑って、俺に抱きついた。
K「いないかと思った。けど、物音がしてすぐ安心した」
「…うん。ちゃんといるよ。何も言わずにどっかいったりなんて…絶対しないよ」
俺は宏光しっかり抱きしめ返す。
起きた時、ベッドに1人だっただけで、一瞬でも不安になってしまうようになったのは、俺のせいだから…しっかり安心できるように。
K「おいしそう…お腹すいた」
「お腹すいた…？よかった」
きっとずっと食欲がなかっただろう宏光が、そう言ってくれてとても嬉しかった。
K「俺今…昨日までが嘘じゃないかってくらい体楽だし、食欲も湧いてる…。太輔が一番の薬だね」
そう言われて、また嬉しくてギュッと抱きしめた。
K「んふふ…っ、冷めちゃうし、遅刻しちゃうよ(笑)」
そう口では言いながらも、宏光も俺の背中に腕を回して強く抱きしめられた。
少し冷めてしまった朝ごはんを食べて、仕事に行く前に俺は宏光に全てを正直に話した。
朝ドラのことがあってから、ニコニコと「おかえり」と家で待つ宏光にさえ腹が立ち、当たってしまいたくなくて、家に帰らず外で1人で飲んでいた夜、知らない女を抱いた。
そこからは、週3回ほどしか家に帰らないほどに、外で毎晩違う女を抱いた。苛立ちを全てそこにぶつけた。
�狡�ドラなんて観るんだね�瓩燭泙燭涓箸波�合わせた朝、俺が観ていたのは、俺が出るはずの朝ドラだった。
何も知らない宏光にそう言われただけで俺はムシャクシャした。
宏光に腹を立ててしまう自分に腹が立った。
こんな俺の最低な話を聞いて宏光は、何も知らなくてごめんねと謝った。言わなかったのは俺なのに…
K「これからは何かあったら、俺に当たってもいいから言って…絶対支えるから。太輔が壊れないように」
「うん…本当にごめん…だから、俺は宏光のこと絶対離さないよ」
2人で泣き合ったあと、一緒に7人の仕事に向かった。
久々に一緒に楽屋入りした俺らを見た5人は、一瞬驚いた顔をしたが、その後は何も聞かれずに「おはよう」とだけ満面の笑みで言われた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 624人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
櫻弓 想(プロフ) - yuzu_さん» コメントありがとうございます！こちらこそ、読んでいただきありがとうございました！ (2021年9月8日 1時) (
レス) id: 6f25ef5bcc (このIDを非表示/違反報告)
yuzu_(プロフ) - とても面白かったです！ありがとうございました！ (2021年9月8日 1時) (レス) id: b026b7a2ff (このIDを非表示/違反報告)
櫻弓 想(プロフ) - ふみさん» コメントありがとうございます！予定より長引いたのと、ずっとほとんど病系だけを書いてきたので、ラブラブシーン的なのは書くのが苦手であまり書けないんです…（笑）申し訳ありません汗 最後まで読んでいただいて本当にありがとうございました！ (2021年9月8日 0時) (レス) id: 03403d3789 (このIDを非表示/違反報告)
ふみ(プロフ) - こんばんは、完結おめでとうございます。毎日更新楽しみにしていたので終わっちゃうのは寂しいですがlast良かったです!!…その後もうちょっとラブラブな2人の話も見たかったです!! 笑。素敵な作品をありがとうございました。 (2021年9月7日 23時) (レス) id: 1827b6c1cf (このIDを非表示/違反報告)
櫻弓 想(プロフ) - . 柊月さん» コメントありがとうございます。嬉しいお言葉感謝すぎます（ ; ; ）もうすぐ終わりに差し掛かりますので、更新頑張ります！ (2021年9月6日 20時) (レス) id: 03403d3789 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：櫻弓 想
| 作成日時：2021年8月26日 23時
