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仕事終わりの車内。

眠っているわけではないが、窓に頭を預けて目を瞑る。


「北山さーん着きましたよ」


マネージャーの声でゆっくり目を開けると、視界がぼやけているように見えた

頭が…痛い


なんだか今日は、いつもよりどっと疲れたな


「…あ、あぁ…おつかれ」

「なんか疲れてます?顔色悪いように見えますけど…」

「あ、いや別に大丈夫」

「そうですか。気をつけて下さいね」


ぼんやりした視界の中、カバンを乱暴に掴んで車から降りると、ぼやけたまま今度は景色がどんどん歪み、立ち止まる。

同時に脈を打つように痛む頭に目をしかめながら、ゆっくり足を前に進ませたが、体が勝手にしゃがみ込んだ。


「…はぁっ…はぁっ…」


息切れと共に、動悸が襲う。なにこれ…


胸を押さえながら、息と動悸を落ち着かせようとすると、車のブレーキ音とドアが勢いよく閉まる音と、俺の名前を叫ぶ声が聞こえた。


「大丈夫ですか?!バックミラーに写っててっ、しゃがみ込んでたから…」

「ごめん…ちょっとした立ちくらみだわ。大したことない(笑)」


しゃがみ込む俺の元に急いで駆けてきたマネージャーに、心配かけまいとすぐに立ち上がると、またぐらついた俺に、過度に声を掛けてくる。

その声も正直頭に響いて痛くて…


「ほんと、大丈夫。また明日」


早くベッドに寝転びたくて、悪いと思いながらも適当にあしらって家に帰った。


倒れるようにベッドに寝転んで目をつぶったが、眠りには付けず。少し頭痛が落ち着いたところで、お風呂に入って、またベッドへ倒れ込むように戻った。


1人で寝るには大きすぎる…半年前までは2人で寝ていたこのベッド。


『太輔がこうなったのは、確かにあのことがあった後だけど、あれが嘘なのは本当だから。とりあえずそこは安心してほしい』


前、横尾さんに言われた言葉を脳内で繰り返して、最近週に3回ほどしか家に帰ってこない太輔の帰りを待った。


でも、その日太輔は帰ってこなかった。

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櫻弓 想(プロフ) - yuzu_さん» コメントありがとうございます!こちらこそ、読んでいただきありがとうございました! (2021年9月8日 1時) (レス) id: 6f25ef5bcc (このIDを非表示/違反報告)
yuzu_(プロフ) - とても面白かったです!ありがとうございました! (2021年9月8日 1時) (レス) id: b026b7a2ff (このIDを非表示/違反報告)
櫻弓 想(プロフ) - ふみさん» コメントありがとうございます!予定より長引いたのと、ずっとほとんど病系だけを書いてきたので、ラブラブシーン的なのは書くのが苦手であまり書けないんです…(笑)申し訳ありません汗 最後まで読んでいただいて本当にありがとうございました! (2021年9月8日 0時) (レス) id: 03403d3789 (このIDを非表示/違反報告)
ふみ(プロフ) - こんばんは、完結おめでとうございます。毎日更新楽しみにしていたので終わっちゃうのは寂しいですがlast良かったです!!…その後もうちょっとラブラブな2人の話も見たかったです!! 笑。素敵な作品をありがとうございました。 (2021年9月7日 23時) (レス) id: 1827b6c1cf (このIDを非表示/違反報告)
櫻弓 想(プロフ) - . 柊月さん» コメントありがとうございます。嬉しいお言葉感謝すぎます( ; ; )もうすぐ終わりに差し掛かりますので、更新頑張ります! (2021年9月6日 20時) (レス) id: 03403d3789 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:櫻弓 想 | 作成日時:2021年8月26日 23時

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