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S「うん…ごめんそうだね。ミツが浮気するわけないもんね。だから…落ち着いて？」
口元にしーっと人差し指を当てながら、千賀にそう言われて個室とはいえ、ここがただの居酒屋だということを思い出す。
「俺もごめん…」
千賀は唯一、俺がずっとミツのことを好きであることを昔から知っている。教えたというか、気付かれたから。
2人が付き合った時も、泣きながら悔しみながらも祝福する俺と一晩飲んでくれた。
「ミツ…俺が聞いたってきっと何も教えてくれないよね。横尾さんは何か知ってるのかな」
S「うーん…どうだろうね…」
大好きなのに、大切なのに何も解決も手助けも出来ない自分が嫌になる。
ミツが幸せなら何でもいいって思っていたけど、今のミツを見ていると、俺ならこんなミツにさせないし、俺のところに来ちゃえばいいのにって思ってしまう。
ミツがガヤのことが大好きで、大切ってわかってるのに思ってしまう。
俺は目の前の酒を勢いよく飲んで、お代わりを頼んだ。
「はー！もうやだ！ガヤってば、ミツを悲しませるなら俺が取りに行くからな！覚悟しとけよ！！」
千賀は特に俺に何か言葉をかけるわけではないけれど、冗談も交えて愚痴を言う俺にずっと付き合ってくれた。
そのお代わりも、その次のお代わりだって、グビグビと飲み干した。
「もう！絶対奪う！！」
S「わかったから、そろそろ出るよ。明日休みじゃないんだから」
2人にきっと何かあった今、ガヤが問題なんだとしても、2人はそれでも両思いなんてこと俺らは充分わかってる。
これはただのすれ違いか何かなんだと…
そして、千賀に少し支えられながら、店を出てタクシーを捕まえようとしていた時だった。
俺の酔いはこれでもかというほど一瞬で覚めた。
「千賀…あれ…」
S「え…」
俺が指を差した道路の向こう側にいた人物は、帽子を深く被りサングラスを付けているものの、完全にガヤだった。
そして隣に女がいて…どう見ても距離が近い。
「おい！！ガ…っ」
S「ダメだ…っ！」
勢いで名前を叫んで走り出そうとした俺の口元を、千賀が手で抑えながら引き止める。
ガヤはそのままその女とタクシーに乗って行った。
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櫻弓 想(プロフ) - yuzu_さん» コメントありがとうございます！こちらこそ、読んでいただきありがとうございました！ (2021年9月8日 1時) (
レス) id: 6f25ef5bcc (このIDを非表示/違反報告)
yuzu_(プロフ) - とても面白かったです！ありがとうございました！ (2021年9月8日 1時) (レス) id: b026b7a2ff (このIDを非表示/違反報告)
櫻弓 想(プロフ) - ふみさん» コメントありがとうございます！予定より長引いたのと、ずっとほとんど病系だけを書いてきたので、ラブラブシーン的なのは書くのが苦手であまり書けないんです…（笑）申し訳ありません汗 最後まで読んでいただいて本当にありがとうございました！ (2021年9月8日 0時) (レス) id: 03403d3789 (このIDを非表示/違反報告)
ふみ(プロフ) - こんばんは、完結おめでとうございます。毎日更新楽しみにしていたので終わっちゃうのは寂しいですがlast良かったです!!…その後もうちょっとラブラブな2人の話も見たかったです!! 笑。素敵な作品をありがとうございました。 (2021年9月7日 23時) (レス) id: 1827b6c1cf (このIDを非表示/違反報告)
櫻弓 想(プロフ) - . 柊月さん» コメントありがとうございます。嬉しいお言葉感謝すぎます（ ; ; ）もうすぐ終わりに差し掛かりますので、更新頑張ります！ (2021年9月6日 20時) (レス) id: 03403d3789 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：櫻弓 想
| 作成日時：2021年8月26日 23時
