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お互いの荒い息だけが部屋に響く。


太輔は、俺の中で果てた後、俺の上に乗り重なるように脱力し、そのまますぐ眠りについた。


「…んんっ」


力を振り絞り、太輔の下から出ると、俺はベッドから転げ落ちた。


「はあ…っ、はっ…」


仰向けになって、荒い息を繰り返す。


行為中にも流れっぱなしだった涙が、また横にどんどん伝っていった。


お互い上も脱がず、ただ本番だけをした行為に、愛も優しさも幸せも何もない。

残ったのは、体の怠さと痛みだけだった。


ベッドを見上げると、先程の行為をした人とは思えないくらい穏やかな表情で、太輔は眠っていた。


息が少し落ち着いて、体を起こす。


床に手をつくと、かなり手首が痛み、さらに下半身からは、赤みが混ざった白い液が漏れていた。


それでも…太輔が気持ち良かったならいいか、なんて思えてしまった俺はもう狂っているのだろうか。


重い…と言われても仕方がないくらい依存してしまったのだろうか。


「た…いす…け…っ」


力の入らない体で何とかベッドに登り、震える手で太輔の頬を包む。


涙でぐちゃぐちゃな顔を近づけて、俺は優しく唇を重ねた。


こんなにされても、愛おしくて仕方がなかった…


こんなの太輔じゃない…太輔の本望じゃないんだ


きっと何かあったんだ…俺が支えなきゃいけないんだ…


太輔は絶対に悪くないんだ。

俺は、そんな思いに駆られた。


最後の力振り絞り、起きたら何も太輔が察さないように、部屋を綺麗にして太輔に服を着させる。


俺は力尽き、ソファに数時間前より熱くなった体を沈みこますようにして、眠りについた。

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櫻弓 想(プロフ) - yuzu_さん» コメントありがとうございます!こちらこそ、読んでいただきありがとうございました! (2021年9月8日 1時) (レス) id: 6f25ef5bcc (このIDを非表示/違反報告)
yuzu_(プロフ) - とても面白かったです!ありがとうございました! (2021年9月8日 1時) (レス) id: b026b7a2ff (このIDを非表示/違反報告)
櫻弓 想(プロフ) - ふみさん» コメントありがとうございます!予定より長引いたのと、ずっとほとんど病系だけを書いてきたので、ラブラブシーン的なのは書くのが苦手であまり書けないんです…(笑)申し訳ありません汗 最後まで読んでいただいて本当にありがとうございました! (2021年9月8日 0時) (レス) id: 03403d3789 (このIDを非表示/違反報告)
ふみ(プロフ) - こんばんは、完結おめでとうございます。毎日更新楽しみにしていたので終わっちゃうのは寂しいですがlast良かったです!!…その後もうちょっとラブラブな2人の話も見たかったです!! 笑。素敵な作品をありがとうございました。 (2021年9月7日 23時) (レス) id: 1827b6c1cf (このIDを非表示/違反報告)
櫻弓 想(プロフ) - . 柊月さん» コメントありがとうございます。嬉しいお言葉感謝すぎます( ; ; )もうすぐ終わりに差し掛かりますので、更新頑張ります! (2021年9月6日 20時) (レス) id: 03403d3789 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:櫻弓 想 | 作成日時:2021年8月26日 23時

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