甘い…生活？２ (ページ3)

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3話目ページ3

「はい、これ。今から行くホテル。」

剛がハンドルを握りながら渡してきたのは1枚のパンフレット。

「薔薇風呂？足湯もあるんだ、凄いね～。」

「ね～。」

覗き込む源と首を傾げて笑い合う。

「って、ここに決めたのは源なんだけど。」

「そ、俺！」

自分で自分を指差し、「気に入ってくれた？」と聞いてきた。

「ご飯も美味しそうだし、うん、楽しみ！気に入った！」

「では安全運転で出発しまーす。」

前後左右を指差し確認して、剛は車を走らせ始めた。

途中、高速のパーキングで休憩を挟んでのゆっくりしたドライブ。

その場所、場所の名産品も見る事が出来て楽しい。

「あ、これ可愛い。」

「…可愛いか？」

「それあれじゃん。警視庁とコラボしてるキャラじゃなかったっけ？」

警察官の服装をしている犬のマスコットが愛らしくて手に取り、レジに向かおうとしたその時…。

「きゃーっ、泥棒ー！」

年配の女性の叫び声がして、若い男性が凄い勢いでこっちに走ってくる。

「A、壁側に居て。源。」

「…あれすんのか？」

剛は頷いて源から少し距離を取って離れた。

「そこどけ！ぶっ殺すぞ！」

手を振り回して駆け抜けようとする男性の足にひょいっと足を引っ掛ける源。

「お、わぁ！」

男性は転倒して床に突っ伏した瞬間に今度は剛が飛び掛かり、両腕を腰辺りで締め上げた。

「離せ、離せ「お疲れさん。俺らこう見えても警察。逃がさねぇよ。」」

源が警察手帳を見せると男性は顔を引きつらせて項垂れる。

「110番お願いします！」

「あ、はいっ！」

お土産物屋の店員さんが返事をして警察に電話を掛けた。

辺りからちらほらと拍手が沸き起こり、二人は居心地悪そうにして頭を下げる。

暫くしてやって来たパトカー、地元の警察官に男性を引き渡して状況を説明する姿を見て、不謹慎な事に胸が高鳴ってしまう私…。

「あーぁ、何で休みの日にまでこんな事に巻き込まれんだよ。」

「でも見て見ぬふりは流石に出来ないじゃん？これも警察官の悲しい性だよね～。」

不貞腐れる源の肩を叩き、私に「大丈夫？」と聞いてくる。

「びっくりしたけど、凄い連携プレーだったね。むしろそっちに驚いたかも。」

「ま、今までの経験でこう来るんだろなってのがわかるからな。」

「経験かぁ。ちょっと惚れ直したよ。」

「「え？」」

聞き返してくる二人を無視して車に乗り込み、「行こう！」と手招きをした。

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