星野源の奥さん…みたいです。 (ページ5)

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「猫舌…ちゃん？」

「うん、いつまでもフーフー冷まして飲まないから猫舌ちゃん。」

「もう一回呼んでみて下さい。」

呼び方、その単語に何となく懐かしさを感じる。

「猫舌ちゃん。可愛い、可愛い猫舌ちゃん。」

「…聞いた事があるような気が…します。」

「毎朝呼んでたんだよ。あ、今から俺が言う言葉、おうむ返しして？」

「は、はい。」

こんがり焼けたトーストを私のお皿に乗せ、大声で叫びだした。

「星野！…ほら、言って！」

「あっ、星野！」

「源！」

「源！」

「バカ源！」

「ばっ、バカ源！」

「くそ源！」

「くそ源！」

「源！」

「源！」

「はい、よく出来ました。」

訳がわからず困惑する私に微笑みかける。

「これだけ源って言えるんなら、俺の事も源って呼べるよね？後は敬語今から禁止だから。」

「よ、呼び捨て…ですか！？」

「はい、ペナルティ1。ペナルティが5個溜まると俺からの熱烈なハグが待っています。更に溜まると…」

「溜まる…と…？」

何が出てくるのかと緊張して聞くと「考えとく。」ってトーストにかじりついた。

ーAへのペナルティ表ー

5個頬にキス
10個唇にキス
15個俺の抱き枕
20個熱烈～なキス
25個 …秘密

ー頑張れ、A。ー

冷蔵庫のドアに張り出されたペナルティ表…。

「これ…秘密がすごい怖…怖いんだけど？」

「お、言い直したな？」

「ちょっ、ちょっと位は多目に見て。」

「多目にね。俺は厳しいよ？」

「…意地悪。」

げ、源は頭をくしゃくしゃと撫でてきて、楽しそうに笑う。

「可愛い顔が台無し、そんなむくれ顔しない。あ、そうだ。座って待ってて。」

ソファを指差し、自室に入って行った。

…何だろ？何かあるのかな？

座って待っているとギターと楽譜を持ってきて、床のラグに広げて置く。

「ちょっと聞いてもらいたい音があんだよね…。」

そう言ってギターを奏で始めた。

それは優しい感じの音で、何だか切なくなるような雰囲気の音。

「あ、好き、この曲調。」

「童話っぽいイメージで作った。女の子が森に迷って不安なのに、でも不思議と楽しくなってくる感じ。」

「…新曲？」

「まぁ…そういうとこ。完成したら1番に聞かせる。」

こんな風に曲を作ってるんだ…。傍で見れるなんてすごい。

「うん、楽しみにしてま…してるね！」

「はい、ペナルティ1頂きました！」

ギターをじゃんじゃかとかき鳴らし、源は声を上げて笑った。

※今後、更新遅めになります。