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「あー、落ち着く。隣にAの体温があるだけで。」

ぐーっと伸びをして、ため息をつく。

「ね、A「はっ、はいっ!」」

「何にもしないって!…多分。」

「また…多分ですか?」

「世の中に絶対はない…と思ってるから。だからこう、後悔の無いように触れたりしておきたいなというか…。」

横目で笑って、そっと髪に触れてきた。

「…俺が怖い?」

「こっ、怖くはないですけど、憧れの人…なんで…緊張します。」

「…憧れかぁ。じゃ、俺はAに恋い焦がれてる…かな。」

目を見つめてそんな事を言ってくるから恥ずかしくて…咄嗟に目を伏せる。

「よしよし、おやすみ。」

優しい声で頭を撫で、小さく欠伸をした。



「…眠れない。」

ダブルベッド、同じ掛け布団。

私が寝返りを打つと起こしてしまいそうで、身動きが取れなくて体が痛い。

…寝顔…あどけないなぁ。あ、薄く髭が生えてる。

そんな事を考えながら眺めていると突然ニヤッと星野さんが笑った。

「俺…穴空いてない?見過ぎ、見過ぎ!」

「ご、ごめんなさ「寝返りとか好きに打ちなよ?そんな簡単に俺は起きないから。」」

「気付いてたんですか?」

「うん、見てるのも身動き一つしないのもね。実はこっちもこっそり見てた。」

見てるつもりが見られてたなんて…。

照れ臭くなった私は布団で顔を半分隠す。

「お互い様!さ、今度こそ寝よ?」

「はい、おやすみなさい。」

星野さんは頷き、あっという間に寝息を立て始めた。



翌朝、目が覚めると寝室に一人ぼっち。

今日の予定を聞いてなかったから、もう出掛けてしまったのかと寂しい気持ちになった。

…いつまでも寝てる訳にもいかないよね。

恐る恐る一階のリビングに行くとソファで歌を口ずさむ星野さんの姿。

「あ、起きた?」

「はい、おはようございます。」

「簡単な朝食作ったから一緒に食べよう。顔、洗ってきな。」

洗面に行って洗顔と歯磨きを済ませ、簡単に肌の手入れをしてリビングに戻る。

「あ、このスープ。」

「お母さんが作って今朝持ってきてくれた。Aの好物だもんな。」

何の変鉄もない、ベーコンと玉ねぎ、じゃがいものコンソメスープ。

「うん、大好き…あ、大好きです。」

「敬語止めなって。俺はAに何を言われても気にしないし、第一疲れそう。」

「敬語じゃない私と話してたんですよね?」

「うん、夫婦だしね〜。」

カフェオレが入ったマグカップを私に手渡し、「猫舌ちゃん。」と微笑んだ。

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作品ジャンル:タレント
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作者名:fugurifurifuri0 | 作成日時:2020年11月27日 16時

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