星野源の奥さん…みたいです。 (ページ19)

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「何をバカな事言ってんの？しっかりしなさ～い。」

源が仕事で出掛けて2日目の夜…。

「ーえ？俺…変な事言ってる！？Aもこっちにおいでってそんなに変な事！？」

「確かに…私も寂しいけど「ーなら来れば良いじゃん！」」

「ちょっとの我慢でしょ？こんな短期間離れるだけで付いて行ったりとか出来ないよ…。」

寂しいを連呼して、こっちに来いばかりを繰り返す源を宥める。

内心は直ぐにでも飛んでいきたい！気持ちを抑え、「頑張れ！」と励ました。

「ー…後…7日、正確には7日半もAに会えない。」

「半って細かいな、半って。」

しょんぼりと肩を落として拗ねてる顔が頭に浮かび、フフっと笑う。

「ーA…俺の事好き？」

「うん、大好「素の方の俺？」」

「大好きに決まってるでしょ？あ、ほら、「星野さーん！」って呼ばれてる！頑張って行ってらっしゃい！」

「ーはぁ…わかった。また連絡する。」

「そんな情けない声を出さないの！元気出して！」

「ーわかった！行ってくる！」

「はーい！」

電話を切ってソファに寝転び、「私も元気出さないと…。」と呟いた。

自分一人だとご飯も手抜き、部屋も汚れず、洗濯物も少なくて…。

日がな一日ボケッと過ごしそうになって、これじゃダメだと無理矢理にでも出掛けてみたりしている。

「私も…源不足なんだよ～。」

スマホに保存してある写真に話しかけ、苦笑いを浮かべた。

「あ、ママ！どうしたの？」

「…痩せた？どうせろくなもの食べてないんでしょ～？」

両手に重そうな買い物袋を下げ、玄関にドカッと下ろす。

「あなたも何だかんだ言って、星野さんが居ないとダメなんだから。」

「源が居ないと…まぁ良いかなってなっちゃって。」

「今日はママが美味しい物を沢山作り置きして帰るから食べないとダメよ。」

カバンからエプロンを出し、勝手知ったるな雰囲気で料理を始めた。

「…ママ、前の…私も…食べなかったの？」

わざわざ家を訪ねてきてくれたって事は…そういう事だよね？

また私には無い記憶だと少し寂しく感じてしまう。

「前…ねぇ。私には可愛い可愛い娘で…ほら、そんな不安そうな顔をしないの。手を洗って手伝って。」

ママはにっこりと微笑み、視線を手元に戻した。

「幸せなんでしょ？顔に書いてある。それが一番大事でしょ？」

確かに…愛し愛されて…とても幸せだ。

幸せが一番…うん、そうだよね。

ママの背中にそっと抱き付き、「幸せだよ。」と笑いかけた。