甘い…生活？ (ページ49)

今日:2 hit、昨日:10 hit、合計:128,587 hit

49話目ページ49

「源、剛、ちょっと良い？」

「うん、良い…ちょ、ちゃんと髪拭かないと風邪引くよ！？」

「拭いてやるからここに座れ。」

ソファに座る源の足の間に座り、わしわしと髪を拭かれる。

ドライヤーをする時間が気分的に惜しくて、急いでバスルームから出てきた。

「あのね、二人でじゃんけんしてほしいの。」

「じゃんけん？別に良いけど何かあんの？」

「うん、ちょっと…ね。源、ありがとう。」

ヘアターバンで簡単に髪をまとめ、二人の間に座る。

子供の時、お父さんが勝つと…お母さんが勝つとって役割を決め、じゃんけんをしてもらって決めていたのを源と剛にお願いした私。

いくら悩んでも決められずに堂々巡りするだけだから…。

「…とりあえずじゃんけんするか？」

「よくわかんないけど…。」

「「最初は…」」

二人は何度かのあいこを繰り返し、接戦の末に勝ったのは…。

「よし、勝った！」

「あぁぁ～、負けた！何の勝負かわかんねぇのに悔しい～。」

源はどや顔で悔しがる剛を見て笑った。

「で、これに何の意味があるんだ？」

「大方…自分で決められない何かがあった…ってとこじゃないの？」

黙り込む私の頬をつつき、剛は顔を覗き込んでくる。

「う、うん、そんなとこ。鋭いね。」

「今ので何が決まった？」

「…内緒…まだ言えない。」

源はふーんと頷き、「Aの好きにすれば良い。」と微笑んだ。

「うん、聞かなくても…わかる。」

「わかるって…何？」

ニコニコ訳知り顔で笑う二人…。

左右からいきなり頬を摘ままれ、「「赤い。」」って指摘された。

「顔が赤くなる事考えてんでしょ？」

「Aは分かりやすい。」

「分かりやすい！？私が！？」

「…寝たふりは上手かったが顔の赤さで話を聞いてたなって直ぐにわかった。」

…だからテーブルについた時…笑われたんだ。やだ…すごい間抜け。

「き、聞くつもりは「うん、それはわかってるよ。あんな話されたら起きれないよね？」」

「う…うん。」

「寝てるからって…ああいう話を始めた俺らが悪い。」

私は両手で顔を覆い隠し、背中を丸めて頷く…。

「まぁ…Aが何を決めたのか…楽しみにしてるからね～。」

「…楽しみって…楽しみにしないで…剛。」

「楽しみに決まってるじゃん、ね？」

「俺？俺も…まぁ楽しみに…してるか。」

二人は私の頭を交互に撫で、「可愛い。」を繰り返す。

…源が勝ったって事は…。

撫でられてグラグラ揺れる頭で、今後の事を考えていた。