甘い…生活？ (ページ36)

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36話目ページ36

「Aさーん！Aさ…あ、こんばんは！」

「東くん！？」

爽やかな可愛い笑顔で手を振って駆け寄ってきて、隣に立つ源に頭を下げる。

「…こんばんは。」

「あ、お邪魔でした…俺？」

「そんな事ないよ。ね、源？」

ちらりと横目で東くんを見て、不機嫌そうにスーパーの中へと入っていった。

「彼氏さん…ですか？」

「う、うん、そうだよ。」

「怒らせちゃいましたよね、睨まれましたよ。」

肩をすくめ、スーパーの中を眺めた。

「睨んではないと思うんだけど、職業柄…ちょっと目が鋭いのかも。」

「え！ヤバイ職「違うよ！警察関係なの！って、東くんとこんな所で会うなんて。」」

「俺、先週こっちに引っ越してきたんですよ！Aさんもこの近くですか？」

「うん、近いよ。この道を「A～、俺も迎えに来たよ～。」」

剛は弾む声で私を後ろから抱き締めてきて、東くんに気付くと「どうも。」と挨拶をする。

「ど…どうも。」

「俺、腹減って死にそう。晩飯は何？」

「さっきの人が彼氏さんで…この方は「ん？俺もAの彼氏だけど？」」

「えっ、え…彼氏さんが…二人！？」

混乱した顔をしている東くんに「お、お疲れ様。」と言って逃げるようにスーパーへと入った。

「明日…色々聞かれちゃうよ～。」

あーだこーだと聞かれるのは目に見えていて、深いため息をつく。

「Aは3人で付き合ってるの、恥ずかしいと思ってるの？」

少し不機嫌そうな声に言葉が詰まる。

「源が前に言ってた通り、変かどうかは周りが決める事。A自身が変だって後ろめたい気持ちでいると周りが気になって仕方なくなるよ。」

「う、うん。」

「俺らは何も悪い事してない。人にごたごた言われる筋合いもない。俺ら3人で納得して決めた事なんだから。」

…確かに周りに何の迷惑もかけてないし…私たちの幸せは私たちが決めるんだよね。

「ん、ごめん。剛の言う通りだね。」

「はい、よく出来ました。」

剛が私の頭を撫でようと手を伸ばした時、「遅い。」と源の怖い声。

「何いちゃついてんだ。さっさと買い物して帰るぞ。」

「源…かごの中…ビールだらけじゃない。」

カートに載せられたかごにはビールが大量に入っていて…。

「新製品が出てたからな。どうせ剛も飲むから良いだろ。」

「飲むけど、持って帰るの重いよ～？」

ビール＋普段の買い物をしたら重くて…ふうふうと肩で息をしながら歩く二人を見て苦笑いをした。