甘い…生活？ (ページ16)

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16話目ページ16

「まさか二人の管轄内で働いてたなんて。」

一足早く帰宅した私はシャワーを浴び、髪を拭きながら冷蔵庫を開ける。

そこにインターホンが鳴って、モニターを見ると源が機嫌悪そうな顔をして映っていた。

…黙ったままでどうしたんだろ？何か荷物とか持ってんのかな～？

そう思って「おかえり。」と玄関を開けるとドアップの国松巡査がそこに！！

「こ、こんにちは！国松です！今日は大変失礼を「国松！近い！離れろ、このバカ！」」

グイーッと私と国松さんの間に源が割り込んできて舌打ちをする。

「な、何、これ？」

「ついうっかり剛が口を滑らせて一緒に住んでるって言っちまったせいで、お前に挨拶するってきかねぇんだ。」

小声でボソボソ話す私達を見て、国松さんはニコニコと微笑んでいる。

「あの…せっかくですからお茶でも「え！良いんですか、ありがと
「帰れ、入るな、もう！」」」

玄関まで来て、追い返すのは申し訳なく感じてそう言っただけなのに…源にすごい睨まれてしまった。

「茶…飲んだらすぐに帰れ。で、A、お前は着替えてこい。」

「着替える！？」

「そんな薄着で何考えてんだ！」

…お風呂上がりでタンクトップにハーフパンツ姿の私。

まだ二人は帰ってこないはずって、後でちゃんと着れば良いかと思ってたのをすっかり…。

「あ、ご、ごめんっ！」

走って自室に行き、適当にTシャツを選んで手に取った。

「あれ…国松ちゃん？何で居んの？」

「あ、お疲れ様です。お邪魔してます。」

「お前がべらべら喋ったからだよ。」

「あ、あぁ…ね。」

白けた笑いをして、キッチンに立つ私に「ただいま。」とハグをする。

それを見た国松さんは目を大きく見開いて、途端に落ち着きが無くなった。

「え…綾野さんとAさんはそういうご関係…なんですか？」

「さぁ、どうでしょう？」

「んな事はどうでもいいからさっさと帰れ。」

ソファに座る源は相変わらず不機嫌そうな声で、国松さんにしっしっと手を振る。

「え、もうすぐ夕食が出来「あ、さすがにそこまでは申し訳ないです。また改めてお邪魔「もう来なくていいぞ。」」」

「源ちゃん、別に良い「良くない！」」

いつになく語尾のキツい源に私と剛は顔を見合わせ、国松さんはそそくさと逃げるようにして帰っていった。

…国松さん、ご飯食べてってくれたら良かったのに。それにしても…源？

二人は小声で何かを話していて、額に手を当てて私を見た。