◆異界の神◆二章【原神】

◇雷2 ページ29

「ま…まさか雷が怖いなんてね」


顎を冷やすタルタリヤ。その前に腰掛ける彼女は真っ赤になって俯いていた

「落ち着いたか？」
『しっ…失礼しました』ボボボボ

「いやーあはは面白かった♪A可愛いかったし」

「ただの自然現象だ。滅多に人に当たる事はないから安心しろ」



まだ外で雷鳴は鳴っているが、風が強い分去るのも早い
少しずつ遠のいて行った



『ごめん…本当に』

「あはは大丈夫だよ？可愛いものも見れたし誰だって苦手な物はあるでしょ？気にしないで？俺も笑っちゃったし…ごめんね？」


『…』ポポ
「……」


「ふふっじゃあ、私はそろそろ出掛けてくるよ♪約束の時間来ちゃった♪後はごゆっくり〜」

胡桃は話しの予定があると席を外し、そのまま出掛けて行った



「……」
「……」

気まずっ


『あ、そうだタルさんに聞きたい事あったんだけど』


彼の目線がチクチクしていた時に彼女から問いかけがあった。正直助かる

「なんだい？」

『タルさんも神の目持ってるよね？二つ持ってるのは何でなの？身体とか何もない？』

「！」

確かに、俺は神の目を持っている。
けど…これは一般人には見抜けない筈なんだけど？
何故彼女は分かるんだ？



《彼女は元素視覚を扱える》


あぁ…先生が前言っていた事はこの事だったのか…


“元素力が扱えない”のに“元素力を扱う”少女
それでこの娘に興味持ったんだよね…


成る程ね…



『神の目は二つ持ってると危ないんじゃなかったけ？』


純粋な疑問…どう答えるべきか…


「彼はファデュイの執行官だ…それなりの職位に就いてるからな腕は確かだ、二つ持っていてもおかしくはないだろう」

まさかの先生からフォロー付きの説明があったよ…
言って大丈夫なのか？



『そっかぁ凄い人なんだね！』キラキラ


眩しい……
何の疑問も持たずに、何か良くわかんないけど
凄い人なんだって言う眼差しが眩しい……


『タルさん優しいしね？良い人でよかった』


「そうそう良い人……いや悪い人か？」
「悪い人だな」

『？』


「ま…まぁ雨上がった事だし俺はそろそろお暇するよ」


ややこしくならない内にと、席を立つと彼はまたねと言って去って行った



「本当に雨宿りに来たようだったな」
『雷怖いからね』


「ふはっ…」




彼女のボソリと呟いた言葉に思わず吹き出してしまった

◆鍛錬→←◇雷

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す